[I-YB02-4] Practical use of 3D printed hollowed heart model
Keywords:3Dプリント, 心臓模型, テーラーメイド医療
【背景】先天性心疾患の立体構造は複雑であり、体格・心血管形態・血行動態によって実際の心血管構造は個々に異なる。当院ではテーラーメイド医療の実践を目指し、術前に得られた造影CT画像から中空型心臓模型を作成し、治療前における三次元構造の把握および治療シミュレーションを行ってきた。【模型作成方法】造影CTによって得られたDICOMデータ(スライス幅0.5 mm)から、精密3Dプリンターを用いて、仮想血管厚・仮想心内膜厚1mmの中空型心臓模型を光造形法で作成。プリント積層は0.05~0.1mm、レジン素材を用いた。【結果】2019年12月~2020年2月までに13例(外科手術前9例、カテーテル治療前4例)の中空型心臓模型を作成。CT撮影時の年齢および体重、模型1個当たりのレジン費用はそれぞれ日齢3~79歳・2.5~63.8kg・236~6,012円(中央値:1歳5か月・7.4kg・1,126円)であった。体格の小さい児では弁や心房中隔壁の模型化は困難であったが、心室中隔壁および大血管はCT値の調整を行うことによりモデル化し得た。以下具体例を示す。日齢20・TA2c・Bil PA band術後、PA band部に対するPTAを企図した症例では、PDDT経由での左右PAへのアプローチを大動脈肺動脈模型を用いてシミュレーションした。経路に合わせてカテーテルを成形することにより、標的部位へ容易に到達し得た。生後6か月・DORV・AVSDの症例では、欠損孔および大血管の三次元的構造を模型化。パッチサイズを術前に検討することが可能であった。11歳・Shone症候群に伴うMSの症例では、左房左室模型を作成。Supra-valvular mitral ringを含めた僧帽弁周囲の形態を模型化し得、手術方針の決定に有用であった。【まとめ】模型作成時には他の画像検査結果と十分に照合し、部位ごとにCT値を調整する等、工夫を行うことでモデル化が可能であった。精密3Dプリンターで作成した中空型心臓模型は、外科治療やカテーテル治療前の形態把握や治療計画に有用であった。