The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Invited Lecture

Invited Lecture15(II-IL15)

Sat. Jul 10, 2021 5:30 PM - 6:30 PM Track3 (Web開催会場)

座長:笠原 真悟(岡山大学医歯薬学総合研究科 心臓血管外科)

[II-IL15] Designing tailor-made surgical plan for congenital heart diseases by fusion approach between 3D heart model and computer simulation

久田 俊明, 杉浦 清了, 岡田 純一, 鷲尾 巧 (株式会社UT-Heart研究所)

Keywords:先天性心疾患, 心臓シミュレーション, レプリカ

先天性心疾患の手術が行われる小児の心臓は極めて小さい上に病変のバリエーションが大きく、立体構造が極めて複雑なことから、現在も外科治療は困難を極めている。こうした問題を解決するために国立循環器病センターとクロスエフェクト社では特殊な画像処理技術と3Dプリンティング-真空注型技術を駆使した、実物大の「超軟質精密心臓レプリカ」を開発し、術前に心臓の内部構造を隈なく観察し手術リハーサルまでを可能することで、術式決定と安全性の向上に貢献してきた。一方UT-Heart研究所は細胞内の分子機構に基づいて心臓の興奮・収縮弛緩から血液の流れ,さらには弁の動きまでをコンピュータ内の精密3Dモデルとして再現するマルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレータ(UT-Heart)を開発している。今回、両者の技術を融合することで立体構造把握と手術リハーサルに加え、手術による血行動態や電気生理などの機能変化までを総合的に検討し予測することが可能となるとの考えから共同研究(ped UT-Heartプロジェクト)を開始した。すなわちリアル(心臓レプリカ/形)とバーチャル(心臓シミュレーション/機能)の融合によって患者の長期予後までも見据えた手術計画支援の実現を目指す試みである。 今回の発表ではUT-Heart開発の経緯とその原理を解説した後、ped UT-Heartプロジェクトの開発状況について実際の症例に基づいて紹介する。