The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Panel Discussion

Panel Discussion04(II-PD04)

Sat. Jul 10, 2021 10:40 AM - 12:10 PM Track2 (Web開催会場)

Chair: Jun Muneuchi(Kyushu Hospital, Japan)
Chair: Hideaki Ueda(Kanagawa Children’s Medical Center, Japan)

[II-PD04-2] Current status of patent ductus arteriosus in preterm infants in neonatology

Katsuaki Toyoshima (Division of Neonatology, Kanagawa Children’s Medical Center, Japan)

Keywords:PDA, preterm infant, echocardiography

未熟児動脈管開存症(未熟児PDA)では、呼吸障害、肺出血、脳室内出血、壊死性腸炎などの重篤な合併症をきたすことがある。未熟児PDAの薬物治療や外科には重篤な有害事象がある。
日本新生児臨床研究ネットワーク(NRNJ)データベース(2017年)によると、極低出生体重児(3674名)中の1322名(36%)がシクロオキシゲナーゼ阻害薬を投与され、175名(4.8%)が動脈管外科治療を受けている。
2010年に41施設66名の協力者と共に「根拠と総意に基づく未熟児動脈管開存症(PDA)の治療ガイドライン(J-PreP)を策定し、本邦のPDA研究の推進やインドメタシンに比して有害事象が少ない根拠があるイブプロフェンの保険収載につながった。2011-2014年の「周産期医療の質と安全の向上のための研究(INTACT)」では、J-PrePガイドラインを活用した施設訪問ワークショップを全国各地で開催し、未熟児PDA診療の質向上に取り組んだ。日本は新生児科医が日常的に心エコー検査を評価し、細やかに循環管理を行っている。小児循環器医が往診した上で検査を担当する他国にはみられない特色であり、日本の早産児の救命率の高さに貢献している可能性がある。
2015年から、PDA and Left Atrial Size Evaluation Study in preterm infants (PLASE)では、心エコー検査の267名の検者間差異を明らかにし、34施設の心エコー検査の測定方法を標準化した上で、未熟児PDAに対する外科治療を予測する心エコー指標の科学的根拠を創出した。
世界的に未熟児PDAに対する治療介入については是非がある現状である。治療介入の必要な症例、状況に適した治療、施行タイミングなどは検討し続ける必要がある。本パネルディスカッションが診療科や専門性の垣根を超えて、早産児により良い未来を届けられる未熟児PDA診療の未来を考えるきっかけの1つになることを願う。