[II-PD04-3] NICU入院患者の動脈管開存治療
キーワード:動脈管開存, 低出生体重児, 経皮的動脈管閉鎖術
【背景・目的】海外から低出生体重児に対する経皮的動脈管閉鎖術が報告され、日本でも段階的な実施が進められている。今後の治療適応について検討する目的で、薬物治療または外科的閉鎖術を行った動脈管開存について後方視的に検討を行った。
【方法】対象は2011年1月1日から2020年12月31日に当院NICUに入院した4134例のうち、薬物治療または外科的閉鎖術を行った動脈管開存175例。在胎週数、出生時体重、薬物治療、外科的動脈管閉鎖術、染色体、合併症、予後を調査した。結果は中央値(最小~最大)で表した。
【結果】在胎22~27週65例、28~33週70例、34週以降40例で出生時体重1000g未満70例、1000g以上2000g未満73例、2000g以上31例、染色体はTrisomy21 10例、Trisomy18 3例であった。174例(99%)に薬物治療が行われた。外科的閉鎖術は23例(13%)に行われ、薬物治療不応22例、薬物治療非適応1例であった。手術日齢22(2~68), 手術時体重988g(673~2710)であった。手術時体重1000g未満(L群)12例、1000g以上(H群)11例では、在胎週数24(22~29), 37(24~37), 出生時体重735g(484~980), 1600g(680~2130), 薬物治療回数6(2~7), 4(0~9), 手術日齢20(5~38), 32(2~68), 手術時体重810g(673~988), 1254g(1010~2710)、手術合併症はH群の1例に左気管支狭窄を認め、両群で死亡例はなかった。
【考察・結論】1000g以上の外科的動脈管閉鎖術実施は治療対象の6.3%11例であった。薬物治療閉鎖後の再開通により外科的手術を行った出生時体重1000g未満5例が含まれていた。低出生体重児に対する外科的動脈管閉鎖術は侵襲を伴うが安全性有効性に優れる。薬物治療は効果や副作用が完全には予測できないが侵襲度の面から外科手術に先行して行われる場合が多く、循環動態不良、腎不全などの合併に注意を要する。薬物治療、外科的閉鎖術に加え経皮的閉鎖術が加わり、これらの治療をどのように適応選択していくか今後の課題と考えられた。
【方法】対象は2011年1月1日から2020年12月31日に当院NICUに入院した4134例のうち、薬物治療または外科的閉鎖術を行った動脈管開存175例。在胎週数、出生時体重、薬物治療、外科的動脈管閉鎖術、染色体、合併症、予後を調査した。結果は中央値(最小~最大)で表した。
【結果】在胎22~27週65例、28~33週70例、34週以降40例で出生時体重1000g未満70例、1000g以上2000g未満73例、2000g以上31例、染色体はTrisomy21 10例、Trisomy18 3例であった。174例(99%)に薬物治療が行われた。外科的閉鎖術は23例(13%)に行われ、薬物治療不応22例、薬物治療非適応1例であった。手術日齢22(2~68), 手術時体重988g(673~2710)であった。手術時体重1000g未満(L群)12例、1000g以上(H群)11例では、在胎週数24(22~29), 37(24~37), 出生時体重735g(484~980), 1600g(680~2130), 薬物治療回数6(2~7), 4(0~9), 手術日齢20(5~38), 32(2~68), 手術時体重810g(673~988), 1254g(1010~2710)、手術合併症はH群の1例に左気管支狭窄を認め、両群で死亡例はなかった。
【考察・結論】1000g以上の外科的動脈管閉鎖術実施は治療対象の6.3%11例であった。薬物治療閉鎖後の再開通により外科的手術を行った出生時体重1000g未満5例が含まれていた。低出生体重児に対する外科的動脈管閉鎖術は侵襲を伴うが安全性有効性に優れる。薬物治療は効果や副作用が完全には予測できないが侵襲度の面から外科手術に先行して行われる場合が多く、循環動態不良、腎不全などの合併に注意を要する。薬物治療、外科的閉鎖術に加え経皮的閉鎖術が加わり、これらの治療をどのように適応選択していくか今後の課題と考えられた。