[II-PD05-1] 新しいマッピングシステム(CARTO 3, version 7)を使用してアブレーションを施行した先天性心疾患症例
キーワード:アブレーション, 先天性心疾患, 3Dマップ
背景:先天性心疾患(CHD)の上室頻拍に対するカテーテルアブレーション(CA)は、解剖学的に複雑で低電位領域が多数存在し、遅伝導部位の同定が困難な場合も多い。この問題を解決するため新しいsystem (CARTO 3, version 7, coherent map)が開発された。このsystemを使用してCAを施行した複雑CHD術後症例は報告されていない。症例:CHDの14例(2~47歳)にCAを施行した。Glenn手術1例、二心室修復9例、Fontan手術3例、心房スイッチ手術1例である。方法:心腔内エコー(CARTOSOUD)を使用して最初に心房のgeometryを作成した。次に多極カテ(Pentaray)を使用して右心房または肺静脈心房(PVA)のvoltage mapを作成後に頻拍を誘発した。心房電位0.5mV以下をlow voltage area (LVA)と判断した。Fontan (lateral tunnel) 1例と心房スイッチ 1例はPVA内に頻拍基質が存在し、中隔穿刺を必要とした。Contact forceを使用しカテーテルの固定を確認しながら、SmartTouch(Biosence Webster)でCAを行った。結果:計21頻拍が誘発された。心房粗動(AFL):9、心房内マクロリエントリー頻拍(IART):10、focal心房頻拍(AT):2であった。AFL症例はcavo-tricuspid isthmus(CTI)に線状CA、focal ATは最早期にCAを施行した。IART症例はLVA内頻拍中の拡張期fragment電位にCAを行った。Velocity vector mapを使用することで、伝導速度、伝導方向が正確に表現された。10種類のIARTにおいて、それぞれの回路が同定され、遅伝導部位が視覚的に同定された。14症例すべての頻拍のCAに成功した。結論:Coherent mapを作成することで頻拍回路が明確になり、CAの成功に関与した。