[II-PD05-2] Atrial Fibrillation Ablation in Patients with Congenital Heart Disease: the Role of Complex Fractionated Atrial Electrogram Ablation
Keywords:先天性心疾患, 心房細動, Complex fractionated atrial electrogram
【はじめに】通常の発作性心房細動(AF)の多くは肺静脈がトリガーの起源となり、またAFの維持にも関わることから肺静脈隔離術が基本的なアブレーション治療となっている。しかし、一部の先天性心疾患に合併する心房細動(AF)では肺静脈が関与しておらず、異なるアプローチが必要となる。Complex fractionated atrial electrogram(CFAE)を標的としたアブレーションを施行した症例を提示する。【症例1】右胸心、僧帽弁狭窄、両大血管右室起始に対し肺動脈絞扼術後の34歳女性。Substrate mapでは左房後方に広範な瘢痕が拡がり、前方のみで電位を認めた。複数種類の非持続性心房頻拍(AT)が出現していたが、途中から左下肺静脈入口部付近を最早期興奮部位とする異所性ATに移行し、同部位を通電したところで心房細動に移行した。瘢痕から左心耳、僧帽弁輪に向けて線状焼灼し、CFAEが記録される部位を通電した。DCで洞調律となり、以後はAF回数が著減した。【症例2】完全型房室中隔欠損、左上大静脈遺残に対し、心内修復術後の25歳男性。15歳時にCTI ablation施行された既往あり。拡大した冠静脈洞の小弯側では非常に速い頻度でirregularに興奮している部位があり、CFAEが記録された。同部位を通電し、徐々にorganizeされたregularなATへ移行し、DCで洞調律に戻った。半年後にAT/AFが再発した際には、右房内は比較的regularな頻拍であったが、CS小弯側ではAF様のirregularに興奮する部位があり、同部位の通電でATは停止した。以後は再発なく経過している。【まとめ】心房中隔欠損では肺静脈隔離術が有効であることが多いが、より複雑な先天性心疾患では肺静脈以外にトリガーの起源、不整脈基質を持つことがあり、その場合には不整脈基質のmodificationとしてCFAEを標的とする通電がAFの抑制に有効である。