[III-HAJSSH-3] 2)検診委員会
学校心臓検診の地域差に関する問題
キーワード:学校心臓検診, 心電図, 地域差
【はじめに】学校心臓検診は学校安全保健法により定められた検診であり、全国の 児童・生徒には一律に同じレベルの検診を受ける権利がある。【目的】現在各地域 で行われている学校心臓検診にどの程度の地域差があるかについて調査を行った。 【対象地域・方法】学校心臓検診委員会委員のいる地域で、2019 年度学校心臓検診 についてアンケート調査を行った。検診対象となる児童・生徒数、検診方式、一次 検診担当医師、精密検診担当医師、12 誘導心電図、心音図、学校心臓病調査票の利 用、心電図フィルターについて、精度管理、抽出率【結果】19 区(東京)、59 市(政 令指定都市 4 市)、48 町、3 村、県全域 3 県からアンケート結果(小1、中1:39 件、高 1:23 件)。一次検診:小児循環器医師の関わりあり 33 件(86%)、内科 循環器医師のみ2件、内科循環器医師及その他の小児科医 3 件。一次検診心電図の 目視による再確認: 36 件(全て 18 件、抽出心電図のみ 14 件)、なし 3 件。心電 図フィルター:全くかけない 3 件、積極的にかける 12 件(全てかける 8 件)。精 密検診担当医師:小学 1 年生、中学 1 年生:小児循環器科医師 33 件(86%)、内 科循環器医師のみ 1 件、家庭に任せている 4 件。高校 1 年生:小児循環器医師 7 件 (27%)、内科循環器医師のみ 13 件(59%)、家庭に任せている 3 件。心臓病調 査表使用なし:2 件、4 誘導の使用;8 件。一次検診の抽出頻度;小学1年生(0- 9.5%)、中学1年生(0.03-12.5%)、高校1年生(0-7.68%)【考察】今回のアン ケート調査は当学会委員の所属する地域で多く集積されたものであり、必ずしも全 体像を示すものではない。地域により様々な方法で検診が行われており、統一され た方式でのシステムで行われていないことは明らかである。この多様性はやむえな いものと考えられるが、今後学校心臓検診のあり方を決める際に現状把握しておく ことは日本小児循環器学会として必要と考えられる。