[III-PD07-2] A data management system for comprehensive evaluation of school medical examination
Keywords:学校心臓検診, 小児生活習慣病予防健診, 学校検診
【背景】日本の学校検診は心臓検診を初め、学校検尿、小児生活習慣病予防検診などがあり、世界に類をみないシステムである。検診情報の統合と経年的評価は精度と有益性の向上に繋がるが、各検診は独立して行われ、経年的評価もほとんどされていない。今回、我々は南魚沼市と共同で、健診・検診情報を統合したデータ管理システムを構築し、包括的、経年的評価を可能にしたので報告する。【対象・方法】対象者は本研究に同意を得た南魚沼市立小・中学校の児童生徒。対象データ項目はa)学校心臓検診、b)学校検尿、c)貧血・生活習慣病検診、d) 体格情報、とした。実施対象は、a)学校心臓検診は小1、小4、中1の全員、b)学校検尿は全学年の全員、c) 貧血・生活習慣病検診は中1の全員と中2、中3の希望者である。学校心臓検診では問診と12誘導心電図を実施している。他に内科健診で診察と問診を全学年全員に実施している。収集した情報は、南魚沼市保有のパソコンに取り込み、統合した。問診と身体所見の情報は数値化して電子化した。心電図波形は医用波形情報として専用ソフトで、また他の検診情報は数値データとして表計算ソフトで管理した。構築したデータベースは同市の学校保健担当医師など同市が許可した者のみが閲覧可能とした。【結果・考察】対象者ほぼ全員の同意を得られた。ベースライン調査として横断的検討を行い、体格と心電図測定値の関連が確認され、それには男女差があった。性別や体格も加味した心電図評価が精度向上につながる可能性があった。今後、さらに貧血・生活習慣病検診と心臓検診のデータ統合や各個人データの経年比較の有用性を検討する方針である。将来的には、構築したデータベースを基にしたA I判定や成人期の検診や診療への学校検診情報の活用が目標である。我々のこれまでの経験に加えて、これらの目標を達成するための課題について述べる。