[III-SY10-2] Current status and problems of pediatric circulatory support for heart transplantation -experience of a single pediatric heart transplantation center -
Keywords:小児心臓移植, 補助人工心臓, 移植待機
臓器移植法下心臓移植が始まり20年超が経過し、少しずつではあるが小児心臓移植件数の増加が認められるようになり2019年には17例が行われた。しかし、社会情勢によりその数が左右されることは否めず、国内のみで小児心臓移植を完結することはできていない。さらに国内のdurable VAD数にも限りがある現状があり、小児重症心不全は発展途上の領域である。当院では可能な限り国内移植を目指し移植前管理をおこない、これまでに移植時年齢が18歳未満の小児心臓移植を31例経験した。移植時年齢は1.3から17.7歳、中央値12.6歳。20例が2017年以降の症例であった。疾患はDCMが17例、RCMが7例、その他5例。平均待機期間は716日(中央値691日)。status1の期間は平均670日(中央値613日)で、待機状態は21例がVAD(3例biVAD)、7例がカテコラミン持続投与、1例がstatus 2であった。VAD装着患者の平均装着期間は676日(中央値661日)で、最長1157日。VADはEXCORが7例、Jarvik 2000が5例、HVADが4例、Evaheart1例、初期の症例でNiproを3例使用した。EXCOR装着では平均398日で短い傾向にあり、優先提供やドナーの体格などの影響が考えらえた。biVADを要した3例は、2例がRCM、1例は劇症型心筋炎後心筋炎であり、高度の右室拡張障害からくる他臓器鬱血により右心サポートを導入、biVAD 後も多量の利尿剤やカテコラミンサポートなどの管理が必要であった。疾患別ではRCM 7例中6例がVADを要しており、カテコラミンサポートのみでは安全に待機できない状態であった。さらに、院内の状況で他院からの相談すべてに対応できておらず、状況打破に苦慮している。【まとめ】国内小児心臓移植数は増加傾向にはあるが十分な数ではなく、さらに単施設での管理は限界があり、移植待機患児の全国での状況把握が必要である。RCMはVADが高率に必要で管理も難渋することがあり、疾患別の対策が必要であると考えられた。