[III-SY10-4] 重症心不全コンサルトに対して移植施設としてどう応えるべきか
キーワード:小児心臓移植, 重症心不全, 心室補助装置
2010年に改正臓器移植法が施行され、国内の小児心臓移植が増加し、2019年までに18歳未満の小児心臓移植は50例に達した。しかし、ドナー不足を背景として心臓移植の実施数は十分でなく、待機患者は増加の一途となっている。重症心不全患者の待機において心室補助装置(VAD)は重要な治療手段となるが、体格の小さな小児に用いられるBerlin Heart EXCORは国内での使用台数に限りがあり、すでに新規患者の導入が困難な状況にある。よって心臓移植施設やVAD管理施設での重症患者応需にも限界があり、小児循環器施設において可能な限りの治療を行い待機する状況となっている。長期心不全管理が必要と判断されうる状況では、循環破綻前に心不全鑑別の各種検査を行い、移植適応の妥当性および実現性、さらには循環破綻した際の対応の検討が必要である。特にVAD治療に限りがある現状においては、これらは移植およびVAD施設のみならず中核となる小児循環器施設においては実施可能な体制を整備する必要がある。一方で、移植およびVAD施設においては、小児重症心不全ネットワークやwebカンファレンスの活用、サイトビジットなど診療支援体制の充実が望まれる。