The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Presidential Session

会長要望セッション07 シンポジウム(III-YB07)
小児循環器領域におけるECMO治療

Sun. Jul 11, 2021 9:00 AM - 10:30 AM Track2 (Web開催会場)

座長:新川 武史(東京女子医科大学 心臓血管外科学)
座長:帆足 孝也(国立循環器病研究センター 小児心臓外科)

[III-YB07-6] Pediatric Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation Program

松久 弘典1, 大嶋 義博1, 日隈 智憲1, 松島 峻介1, 長谷川 翔大1, 和田 侑星1, 長谷川 智巳1,2, 黒澤 寛史2, 田中 敏克3 (1.兵庫県立こども病院 心臓血管外科, 2.兵庫県立こども病院 小児集中治療科, 3.兵庫県立こども病院 循環器内科)

Keywords:ECPR, ECMO, 集中治療

【緒言】小児EPCRでは適応判断、導入中の蘇生の質を含めた導入体制が救命率向上には重要である。当院では2016年より集中治療科を主体としたEPCR体制の整備が進んでいる。【方法】2010年以降当院にてECPRが施行された39例を対象とし、2016年5月までを前期(23例)、2016年5月以降を後期(16例)として比較検討した。【当院での取り組み】前期ではECPRの決定から導入のマネジメントを含め心臓血管外科医が行っていたが、後期ではECPRの決定、導入中のマネジメントは主に集中治療医が行い、心臓血管外科医は導入手技に徹した。また、後期ではPICU主体のECPRシミュレーションを1~2ヶ月毎に開催し、2018年より一般病棟での急変回避目的にMETコールシステムを導入、2020年からは院内統一でECMO専用招集コールを開始。【成績】患者月齢は前期5カ月(0-128)、後期6.5カ月(1-79)、体重は前期5.6kg(2.4-24)、後期7.2kg(3.0-25)と有意差を認めず。患者背景は前期/後期で、CHD(perioperative):9/7, CHD(other):9/2, cardiac(other): 1/3, airway: 4/3, sepsis: 0/1で、特にCHD患者の一般病棟からのECPRは前期5例から後期1例と減少を認めた。また後期では院外CPRを2例認め、1例は神経学的後遺症なく救命。CPR-ECMO導入時間は前期51分(21-105), 後期31分(20-110) (P=0.14)で、60分以上要した原因として前期(5例)はPICU外CPR:4, 血管確保困難:1, 後期(3例)はPICU外PCR:2, 血管確保困難:3(重複あり)。ECMO離脱率は前期59.1%, 後期87.5%(P=0.08), ICU退室時生存は前期43.5%, 後期60% (P=0.32)。【結論】集中治療科主体のECPRシステム導入により、導入時間の短縮、離脱率の改善に加え、他疾患でのEPCRの増加を認めた。加えて、METコールシステムの導入以降一般病棟からのECPR症例は認めておらず、ECPR回避の取り組みも奏功している。