[OR11-2] OmnilinkElitステントのside cell dilationに関する検討
キーワード:ステント, 分岐部病変, 先天性心疾患
【背景】腸骨動脈用コバルトクロム性OmnilinkElit stent(OES)はopen cell構造で柔軟,premount仕様,9mm径迄6Fシース対応であることから,新生児・乳児の先天性心疾患病変に応用が可能と思われる。Side cell (SC)dilation(SCD)が可能であればより有用であるが,そのような報告はない。その可能性に関して検討した。【方法】実験1a. 附属の9mm径balloon 11気圧(nominal pressure)でOESを拡大し,ステント径を計測する。1b. 同バルーンでSCDし,拡大されたSC形態を評価する。1c. ステント本管を同バルーンで再拡大し,SCの形態変化を評価する。実験2. 実験 1と同様の実験を12mm径Conquest balloon(CB)で施行し,aーcの項目を評価する。実験は3ヶ所で施行。【結果】数値は3ヶ所の平均。1a. OESは径9.0mmに拡大された。1b. SCはほぼ円形に径 8.2 x 9.0mmへ拡大された。1c. SCはステントの軸方向に短縮し楕円形に径 5.2 x 9.0mmとなった。2a. OESは径11.5mmに拡大された。2b. バルーンにwaistができたが,13.5気圧以上にするとstrutの一部が切れて,SCは径11.0 x 12.8mmへ拡大された。2c. SCはステントの軸方向に短縮し楕円形に径9.5 x 12.0mmとなった。【考察】OESは添付文書では11mm径迄拡大可能と記載されているが,12mmCBで11.5mmまで拡大され,またSCはstrutが切れて11.0 x 12.8mmまで拡大が可能であった。12mmより大口径のバルーンで14気圧かければunzipも可能と予想される。1歳の乳児で,2本が近接する肺静脈狭窄病変へOESを留置し,SCDは実践できた。【結論】OESは11.5mm径まで拡大され,side cellも大きく拡大が可能である。新生児・乳児の動脈管,上大静脈,さらに肺動脈・肺静脈などの分岐病変にも応用が可能と思われる。