[OR14-1] 当院における二次性QT延長症候群の臨床像
キーワード:二次性QT延長, プロピオン酸血症, 副甲状腺機能低下症
【背景】二次性QT延長症候群は、薬物、徐脈、電解質異常、中枢神経疾患、代謝異常などの原因が知られている。症例報告はあるが、施設でまとめた報告は少ない。
【目的】二次性QT延長症候群の臨床像を明らかにする。
【対象と方法】2010年から2020年の間に受診歴のあるQT延長164名のうち二次性QT延長症候群15名(9.1%、男性6名女性9名)の臨床像について後方視的に検討した。
【結果】診断時年齢4~84歳。診断契機は検診4名, 基礎疾患通院中5名、意識消失を伴う救急搬送6名(うちTdP/VF4名)。平均QTcB時間は499±26msec、QTcF時間は482±25msec。QT延長の原因は薬物8、代謝異常6、電解質異常1。薬物誘因8名の種類は抗不整脈薬2, 向精神薬2, 抗生物質2, 抗潰瘍薬1、抗コリン薬1、選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬1で2系統服用者1名。代謝異常6名は甲状腺機能低下症1、副甲状腺機能低下症1、偽性副甲状腺機能低下症1、プロピオン酸血症3。学校心電図検診から副甲状腺機能低下症1とプロピオン酸血症1の新規発見に至った。電解質異常1名はアルコール性栄養障害に起因していた。診断後の経過は薬物誘因によるQT延長は薬物中止により、副甲状腺疾患は治療開始によりQT時間は正常化した。代謝疾患ではプロピオン酸血症3例はQT時間延長が持続し、β-ブロッカーを内服。5名に遺伝子検査を施行したところ、甲状腺機能低下症にLQT3、プロピオン酸血症にLQT1と2名に遺伝子変異を認めた。プロピオン酸血症+LQT1合併例はVFを来しICDを植込み、その後適切作動あり。その他の症例では介入後の不整脈イベントは来していない。
【結語】二次性QT延長症候群の原因は様々あり、QT延長の精査時に念頭に置く必要がある。二次性QT延長症候群は薬物中止や基礎疾患の治療により改善する症例がある。一方、プロピオン酸血症のように延長が持続する疾患や、先天性QT延長症候群との合併例もあり、診断や経過観察には注意が必要である。
【目的】二次性QT延長症候群の臨床像を明らかにする。
【対象と方法】2010年から2020年の間に受診歴のあるQT延長164名のうち二次性QT延長症候群15名(9.1%、男性6名女性9名)の臨床像について後方視的に検討した。
【結果】診断時年齢4~84歳。診断契機は検診4名, 基礎疾患通院中5名、意識消失を伴う救急搬送6名(うちTdP/VF4名)。平均QTcB時間は499±26msec、QTcF時間は482±25msec。QT延長の原因は薬物8、代謝異常6、電解質異常1。薬物誘因8名の種類は抗不整脈薬2, 向精神薬2, 抗生物質2, 抗潰瘍薬1、抗コリン薬1、選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬1で2系統服用者1名。代謝異常6名は甲状腺機能低下症1、副甲状腺機能低下症1、偽性副甲状腺機能低下症1、プロピオン酸血症3。学校心電図検診から副甲状腺機能低下症1とプロピオン酸血症1の新規発見に至った。電解質異常1名はアルコール性栄養障害に起因していた。診断後の経過は薬物誘因によるQT延長は薬物中止により、副甲状腺疾患は治療開始によりQT時間は正常化した。代謝疾患ではプロピオン酸血症3例はQT時間延長が持続し、β-ブロッカーを内服。5名に遺伝子検査を施行したところ、甲状腺機能低下症にLQT3、プロピオン酸血症にLQT1と2名に遺伝子変異を認めた。プロピオン酸血症+LQT1合併例はVFを来しICDを植込み、その後適切作動あり。その他の症例では介入後の不整脈イベントは来していない。
【結語】二次性QT延長症候群の原因は様々あり、QT延長の精査時に念頭に置く必要がある。二次性QT延長症候群は薬物中止や基礎疾患の治療により改善する症例がある。一方、プロピオン酸血症のように延長が持続する疾患や、先天性QT延長症候群との合併例もあり、診断や経過観察には注意が必要である。