[OR14-5] 遺伝性不整脈親子例の親子同時外来診療の有用性
キーワード:遺伝性不整脈, 外来診療, 薬物治療
【背景】遺伝性不整脈疾患において、親子とも発症あるいは診断された場合どちらも同じ施設で診療を行うことで一貫性のある診療を行うことができる。【目的】遺伝性不整脈疾患の親子同時外来診療の有用性を検討する。【方法】2009年以降当科で親子同時に遺伝性不整脈診療を行っている家系について診療録を用いた後方視的検討【結果】当科で遺伝子検査にて確定した遺伝性不整脈の10家系のうち親子とも当科で外来診療を行っているのは4家系であった。疾患はQT延長症候群(LQTS)2型2家系、1型1家系、Brugada症候群(BrS)1家系。LQTS2型の2家系はいずれも母が妊娠中に発症しており、LQTS1型の家系は母が過去に繰り返す溺水からてんかんと診断されていた。BrSの家系は心電図経過観察を行っており、そのほかの3家系で親子とも内服処方を行っている。内服を行っている3家系はいずれも服薬コンプライアンスが良好である。こどものみ診療している家系では4家系中2家系でコンプライアンス不良が見られた。【考察】遺伝性不整脈において薬物コントロールは重要であり、今回親子同時外来診察する事で服薬コンプライアンスが改善できる可能性が示唆された。また通院が一カ所ですむことは家族の負担軽減にもなる。遺伝性不整脈の発症は成人でも比較的若い世代に発症するため、小児科医ベースの不整脈専門医が診療することに一定の有用性があると考えられる。