[OR19-4] 小児肥大型心筋症の致死性不整脈のリスク評価とβblockerの有効性の検討
キーワード:肥大型心筋症, 突然死, 致死性不整脈
【背景】
小児肥大型心筋症 (HCM)患者の致死性不整脈は予測困難であることも多く、また植え込み型除細動器以外の有効な予防法は確立されていない。若年では運動関連の致死性不整脈の出現が多いとされており、当院では積極的なβblockerの投与と運動制限を行っている。
【対象及び方法】
1996年から2020年に当科で小児期発症のHCMと診断された43例について、診療録を用いて後方視的に調査した。致死性不整脈出現を予測する因子として、壁厚、原因不明の失神、突然死の家族歴、非持続性心室頻拍、左室流出路狭窄、MRI遅延造影などを検討した。また致死性不整脈出現の予防としてβblockerの有効性について検討した。
【結果】
HCM診断時の年齢の中央値は7歳、フォロー期間の中央値は107ヶ月であった。突然死が1例 (2%)、致死性不整脈の出現は12例 (28%)で、確認できた全ての例で運動時または運動直後の発生であった。致死性不整脈出現を予測する因子として原因不明の失神 (p=0.03)以外に有意なものは見出せなかった。βblocker内服群では30例中6例 (19%)で突然死、または致死性不整脈が発生した一方で、βblocker非内服群では13例中7例 (58%)で致死性不整脈が発生していた。(p=0.02)
【考察】
小児HCMでは致死性不整脈の出現の予測困難な例も多い。致死性不整脈の予防としてβblockerが有効であり、内服が推奨される。
小児肥大型心筋症 (HCM)患者の致死性不整脈は予測困難であることも多く、また植え込み型除細動器以外の有効な予防法は確立されていない。若年では運動関連の致死性不整脈の出現が多いとされており、当院では積極的なβblockerの投与と運動制限を行っている。
【対象及び方法】
1996年から2020年に当科で小児期発症のHCMと診断された43例について、診療録を用いて後方視的に調査した。致死性不整脈出現を予測する因子として、壁厚、原因不明の失神、突然死の家族歴、非持続性心室頻拍、左室流出路狭窄、MRI遅延造影などを検討した。また致死性不整脈出現の予防としてβblockerの有効性について検討した。
【結果】
HCM診断時の年齢の中央値は7歳、フォロー期間の中央値は107ヶ月であった。突然死が1例 (2%)、致死性不整脈の出現は12例 (28%)で、確認できた全ての例で運動時または運動直後の発生であった。致死性不整脈出現を予測する因子として原因不明の失神 (p=0.03)以外に有意なものは見出せなかった。βblocker内服群では30例中6例 (19%)で突然死、または致死性不整脈が発生した一方で、βblocker非内服群では13例中7例 (58%)で致死性不整脈が発生していた。(p=0.02)
【考察】
小児HCMでは致死性不整脈の出現の予測困難な例も多い。致死性不整脈の予防としてβblockerが有効であり、内服が推奨される。