The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Digital Oral

心不全・心移植

デジタルオーラルI(OR21)
心不全・心移植 2

指定討論者:福嶌 教偉(国立循環器病研究センター 移植医療部)
指定討論者:石戸 美妃子(東京女子医科大学循環器小児科)

[OR21-4] 心臓再同期療法を中断できた小児症例の経過

森 雅啓, 青木 寿明, 藤崎 拓也, 橋本 和久, 松尾 久実代, 浅田 大, 石井 陽一郎, 高橋 邦彦, 萱谷 太 (大阪母子医療センター)

Keywords:心臓再同期療法, CRT, discontinuation

【背景】リード閾値上昇を契機に心臓再同期療法(CRT)の長期中断が可能となった成人例の報告を認めるが、小児でのCRT中断後の予後は不明である。
【方法】2014年1月から2020年12月の間、10歳未満でCRT植え込みを行い、当院外来フォロー中に中断とした3症例を対象。中断理由、CRT挿入前、1年後、中断後のQRS(msec),CTR(%), BNP(pg/mL), 経胸壁心エコー検査による主心室EF(%)、Ross分類を検討した。
【結果】症例1:単心室、グレン・房室弁形成術後心不全に対して1歳時にCRT移植。1年後QRS幅:131→86,CTR:58→47,BNP:726→64, Ross4→1。移植後2年で左室リード閾値上昇あるもQRS幅が狭いためCRT中止。2年後QRS:114、CTR,BNP,臨床症状は悪化ない。
症例2:両房室弁左室挿入。グレン術後の房室ブロックの21日後にペースメーカ移植。心不全増悪のため3ヵ月後にCRT に変更。1年後QRS:145→132,CTR:68→54, BNP:821→25、Ross4→1。移植後5年で房室ブロック改善しQRS幅が狭いため心室ペーシング中止。中止1ヵ月後QRS:145、CTR,BNP,臨床症状,EF悪化なし。
症例3:両大血管右室起始。グレン手術後に房室ブロック、心不全のためCRT移植。1年後QRS:127→124,CTR:55→53, BNP:98→7、Ross3→1。移植後7年に左室リード閾値上昇のためRVペーシングに変更。1年後QRS幅:159、CTR,BNP,臨床症状,EF悪化なし。
【結論】小児期にCRTが埋め込まれたresponder症例は、心不全改善によりCRTが中断できる可能性がある。