[OR26-5] 房室中隔欠損症の成人期の長期予後
キーワード:成人先天性心疾患, 房室中隔欠損症, 長期予後
背景:成人に到達した房室中隔欠損症は完全型(CAVSD)も不完全型(PAVSD)も長期予後について明らかでない。方法:18歳以上の二心室修復術後のAVSD計53例(CAVSD 36例、PAVSD 17例)を対象とした。結果:最終受診時の年齢はCAVSD 27.4±7.4歳、PAVSD 44.2±23.3歳であり、18歳からの観察期間(中央値 8.4年)で死亡は認めなかった。最初の修復術の年齢はCAVSD 2.6±2.4歳、PAVSD 25.8±27.0歳であり、再手術はCAVSDで11例(うち18歳以上での再手術は4例)、PAVSDで5例(全て18歳以上での再手術)に行われた。再手術の内訳は、CAVSDでLAVVR+VSD 1例、LAVVR+RVOTO 1例、LAVVR+RAVVR 1例、LVOTO 1例であり、PAVSDでLAVVR 3例、LAVVR+ASD 1例、ASD 1例であった。根治術後10年、20年の再手術回避率はCAVSDで81%と78%、PAVSDで100%と78%であった。さらに再手術を行わなかったCAVSDでは術後22年(中央値)でLVDD: 45±5mm、LVEF: 61±5 %、LAVVR: Mild 14例 / Mod. 11例、LVOT peak V: 1.3±0.3 m/sであり、PAVSDでは術後11年(中央値)でLVDD: 48±7mm、LVEF: 65±7 %、LAVVR: Mild 6例 / Mod. 6例、LVOT peak V: 1.5±0.3 m/s、と良好な結果であった。結語:成人に到達したAVSDは良好な経過をたどるが、再手術が必要な症例も少なくない。