[OR27-3] Gd-EOB-DTPA Dynamic MRIによるFALD合併のHCCとFNHの特徴
キーワード:FALD, 肝臓癌, FNH
【背景】 FALDにおける肝臓癌(HCC)と限局性結節性過形成(FNH)の区別は難しく、Gd-EOB-DTPA投与15分後の肝細胞相の低信号が目安の一つとなる。【目的】FALDにおけるHCC、FNHと慢性C型肝炎(HCV)によるHCCのEOB dynamic MRIによる造影パターンを検討する。【方法】成人フォンタン症例におけるHCC25病変、FNH30病変、慢性C型肝炎によるHCC30病変を対象とした。動脈相(30秒後)、門脈相(60秒後)、静脈相(100秒後)、平衡相(180秒後)、肝細胞相(15分後)で病変部のsignal intensityの変化を検討した。【結果】FALD-FNH群と比較し、FALD-HCC群は高齢、低cardiac indexであった。CVP、EDP、EF、血小板、ビリルビン、Fib4Index、APRIは2群に有意差がなかった。FALD-HCCの3人がTACE後で全員再発、1人に陽子線治療、2人に外科的切除が追加施行された。HCVのHCCはrapid enhancement and washout patternを示した 。FALD-HCCではintensityは緩やかに上昇し門脈相でpeak になり、その後のwash outも緩やかであった。FALD-FNHではrapid enhancement and plateau patternであった。【考察】FALD-HCCがHCV-HCCと異なる像を示した理由として1.高い静脈圧による遅いwash out、2.相対的な肝動脈虚血による緩やかな染まり3.非vascular richな腫瘍が考えられた。【結論】EOB MRIを用いてFALD結節の経時的変化の特徴を解明することは、FALD-HCCとFNHの区別に有用である可能性がある。非vascular richな場合には、TACEの効果は限定的である可能性がある。