[OR33-5] 平均駆出圧容積関係の概念に基づく新しい動脈エラスタンス指標による川崎病血管床変化の評価
Keywords:川崎病, 平均駆出圧容積関係, 動脈エラスタンス
【背景】我々は、平均駆出圧容積関係に基づく後負荷の新しい指標Ea‘は、従来の収縮末期心室圧容積関係に基づく後負荷の指標Eaと比べ、拍動抵抗を包括的に加味した指標であることを数理的に証明し報告した。今回、川崎病の血管床の変化をEa‘とEaで比較検討しEa‘の有用性を検証した。
【方法】川崎病急性期に冠動脈拡大を呈した患者42名の心臓カテーテル検査時に大動脈圧、血流の同時測定からフーリエ変換を用いて大動脈Input Impedanceを計測した。Impedanceは特性抵抗Zoを高周波領域の平均値として、末梢血管抵抗Rを平均圧と心拍出量の比として、また末梢コンプライアンスCは拡張期の圧波形面積法で求めた。Ea‘は血圧血流の随時積から求めた仕事量を一回拍出量(SV)で除した平均駆出圧を、さらにSVで除して求めた。Eaは収縮末期圧をSVで除して求めた。結果を小短絡PDAおよび小短絡VSDの患者40名を対照群として比較した。
【結果】全患者において、Ea‘は心拍数、R、C、Zoすべての血管パラメターと有意な相関を示したのに対し、Eaは心拍数、Rとのみ有意な相関を示した。川崎病患者のZo、年齢補正のCは対照群に比し有意にそれぞれ上昇、および低下していたが、Eaは両群で有意差を見出せなかった(2.28±0.50 vs 2.08±0.45 mmHg/ml, p=0.07)。一方、Ea‘はImpedanceで認められる血管床の変化を有意に捉えることができた(2.34±0.53 vs 2.09±0.45 mmHg/ml, p=0.03)。
【考察】平均駆出圧に基づく後負荷の指標Ea‘は、Impedanceの変化を包括的に捉えることができる簡便な優れた指標であり、実臨床における血管床評価に大きな貢献をすると考えられた。
【方法】川崎病急性期に冠動脈拡大を呈した患者42名の心臓カテーテル検査時に大動脈圧、血流の同時測定からフーリエ変換を用いて大動脈Input Impedanceを計測した。Impedanceは特性抵抗Zoを高周波領域の平均値として、末梢血管抵抗Rを平均圧と心拍出量の比として、また末梢コンプライアンスCは拡張期の圧波形面積法で求めた。Ea‘は血圧血流の随時積から求めた仕事量を一回拍出量(SV)で除した平均駆出圧を、さらにSVで除して求めた。Eaは収縮末期圧をSVで除して求めた。結果を小短絡PDAおよび小短絡VSDの患者40名を対照群として比較した。
【結果】全患者において、Ea‘は心拍数、R、C、Zoすべての血管パラメターと有意な相関を示したのに対し、Eaは心拍数、Rとのみ有意な相関を示した。川崎病患者のZo、年齢補正のCは対照群に比し有意にそれぞれ上昇、および低下していたが、Eaは両群で有意差を見出せなかった(2.28±0.50 vs 2.08±0.45 mmHg/ml, p=0.07)。一方、Ea‘はImpedanceで認められる血管床の変化を有意に捉えることができた(2.34±0.53 vs 2.09±0.45 mmHg/ml, p=0.03)。
【考察】平均駆出圧に基づく後負荷の指標Ea‘は、Impedanceの変化を包括的に捉えることができる簡便な優れた指標であり、実臨床における血管床評価に大きな貢献をすると考えられた。