The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

外科治療

デジタルオーラルI(OR37)
外科治療 2

指定討論者:小出 昌秋(聖隷浜松病院 心臓血管外科)
指定討論者:白石 修一(新潟大学医歯学総合病院)

[OR37-2] Swing-back, chimney法によるYasui手術: 4D flow MRI解析による検討

小田 晋一郎1, 中野 俊秀2, 角 秀秋2, 塩瀬 明1 (1.九州大学大学院医学研究院循環器外科学, 2.福岡市立こども病院心臓血管外科)

Keywords:swingback, chimney, Yasui

【背景】左室流出路狭窄を伴う大動脈弓離断(IAA)など, 上行大動脈と下行大動脈間距離が長い場合, 大動脈弓再建に工夫を要する. また, 肺動脈や気管支の狭窄予防のためにaortopulmonary space(AP space)を十分にとることも重要である. 【目的】Swing-back chimney法により大動脈弓再建を行ったYasui手術後の4D flow MRIを検討し, 本術式の有用性を評価した.【方法】2018, 2019年に上記手術を行った4例. IAA typeはA型2例, B型2例. 全例両側肺動脈絞扼術と動脈管ステント術を先行した. 手術時年齢中央値10.5(最小値 2.1, 最大値 13.6)ヶ月, 体重7.1(4.1, 8.6)kg. 術後10.4(8.5, 13.4)ヶ月に全例4D flow MRI施行. 【結果】全例生存. 当初主肺動脈下行大動脈端々吻合, 主肺動脈上行大動脈側々吻合を行った1例は術後左気管支、右肺動脈狭窄を認め, 術後12日にswing-back chimney法へconversionし, 狭窄の解除可能であった. その他3例ははじめからswing-back chimney法で再建. 再建大動脈弓に対する再手術なし. 術後カテーテル検査が行われた3例の再建大動脈弓の引き抜き圧較差は0, 0, 5 mmHgであった. (1)心室内rerouting部,(2)DKS吻合部,(3)大動脈弓部の4D flow MRI解析結果は以下の通り. Flow velocity(cm/s):(1)71±13,(2)73±16,(3)78±28; Energy Loss(mV):(1)0.30±0.12,(2)0.63±0.41,(3)0.18±0.05. 再建大動脈の形態は4例ともRomanesque型であった.【結論】Swing-back法により, 上行大動脈と下行大動脈のtension-freeな吻合が可能となり, chimney法により, 広いAP spaceの再建が可能となり, 良好な大動脈形態が得られた. 再建大動脈のみならず心室内rerouting部を含めエネルギー損失の少ないスムーズな血流が得られ, Swing-back chimney法によるYasui手術は有用と思われた.