The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

多領域

デジタルオーラルI(OR40)
多領域1

指定討論者:青木 雅子(東京女子医科大学)
指定討論者:吉田 佳織(大阪母子医療センター)

[OR40-4] 乳児期における遠心ポンプ式VAD(BiofloatR) 装着による活動制限のある患児の看護

菊田 史加, 田中 詩野, 原田 愛子, 兵頭 昇, 前川 由紀子 (国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 看護部,)

Keywords:乳幼児, 遠心ポンプ式VAD, 成長発達

【背景】小児では遠心ポンプ式VAD装着症例は少なく、ケア方法が確立されていない。【目的】 遠心ポンプ式VAD装着患児のケア方法を明らかにする。【事例】Aちゃん 9か月、Critical ASに対し生後4か月より他院で入院加療後、生後5か月で当院に転院、Biofloat装着となる。【倫理的配慮】母に本研究の内容と目的、個人が特定されないことを説明し同意を得た。【看護の実際】Biofloat装着直後はflowが保てるように、バイタルサインや水分バランスに注意しながら観察を行った。また排痰援助を行い気道クリアランスに努めた。乳児ではVADのflowが少なく血栓ができやすいことから、1~2時間ごとに血栓を観察し、適宜ACT測定を行い血栓塞栓症状に注意した。医師とともに毎日刺入部の観察と消毒、固定状況の確認を行った。術後4日目に抜管に至ったが、長期臥床安静により形成した背側無気肺に対しては、複数人で安全を確保した上で腹臥位を実施した。啼泣によりflow低下が起こるため、児の好むあやし方でできる限り啼泣させないようにした。下肢の運動が活発になると、送脱血管が足にかからないようタオルを使って保護した。また送脱血管の固定を工夫し、腹帯で刺入部を保護することで児の動きに対応した。体動制限がある中ではあるが、音の出るおもちゃであやしたり、リハビリテーションを通して成長発達が促されるよう関わった。【考察】術直後はflowやバイタルサインの厳密な観察と管理が重要となる。さらに体動による送脱血管の事故抜去のリスクが高いことから、刺入部の観察と児の活動に合わせた固定や保護が重要になってくる。 Biofloat装着による活動の制限が児の獲得動作に影響を及ぼすが、送脱血管の固定や体位の工夫により、制限の中でも児の成長発達を援助することが重要であると考える。【まとめ】長期的に遠心ポンプ式VADが必要な患児においては、十分な安全を確保した状態で成長発達を促す援助が必要である。