[OR8-4] ファロー四徴症術後患者における両心室strainの経時的悪化と予後との関係
Keywords:strain, ToF, ファロー四徴症
【背景】ファロー四徴症修復術後の患者(rToF)では右心室(RV)と左心室(LV)いずれのstrainも正常心と比べて低下していることが知られている。そして、LV strainの低下は重要な予後予測因子とされている。しかしながら、rToF患者においてstrainが経時的にどのような速さで低下していくかは知られていない。今回我々は若年rToF患者を対象に経年的な両心室strainの低下率を計算し、さらにこの低下率と臨床指標の相関を検討する。
【方法】2回以上心臓MRI検査を受けたrToF患者を後方視的に検討した。複数回の心臓MRI検査の間に何らかの手術介入を受けたものは除外した。心臓MRI画像の短軸像と四腔像からGlobal radial (GRS), circumferential (GCS), longitudinal strains (GLS)をtissue tracking法を用いて計測した。心室容積なども計測し、strainと合わせて臨床指標との関係を検討した。
【結果】218人のrToFを対象とし観察期間は7.3±3.3年だった。初回のCMR時年齢は14.8±9.5歳で2回目は20.5±9.5歳だった。死亡例や心移植例はなく、予定外入院を12例、心室頻拍を12例に認めた。RVEF, LVEF, 心拍出量や肺動脈弁逆流率(PRF)は経時的な変化を認めなかったが、RV, LVともにEDViとESViは経時的に増加した。RV, LVともにstrainは経時的に低下した。RV: GRS 42.0±13.8, 39.0±12.9, p<0.01 (1, 2回目), GLS -20.4±3.6, -19.6±3.4, p<0.01, GCS -20.7±3.1, -19.8±3.3, p<0.01. LV: GRS 30.8±9.8, 28.7±9.9, p<0.01, GLS -17.0±3.5, -16.2±3.3, p<0.01, GCS -22.4±2.9, -21.1±3.2, p<0.01. Strainの低下率はRVよりもLVの方が大きかった。予定外入院や心室頻拍の有無との相関はRV strainで認めたが、RVEFやLV strainやLVEFとの相関は認めなかった。
【結論】7年間の観察期間でPRF,LVEF,RVEFは保たれていたがRV, LV strainは減少していた。RV strainは青年期rToF患者の予定外入院発生を予測する可能性がある。
【方法】2回以上心臓MRI検査を受けたrToF患者を後方視的に検討した。複数回の心臓MRI検査の間に何らかの手術介入を受けたものは除外した。心臓MRI画像の短軸像と四腔像からGlobal radial (GRS), circumferential (GCS), longitudinal strains (GLS)をtissue tracking法を用いて計測した。心室容積なども計測し、strainと合わせて臨床指標との関係を検討した。
【結果】218人のrToFを対象とし観察期間は7.3±3.3年だった。初回のCMR時年齢は14.8±9.5歳で2回目は20.5±9.5歳だった。死亡例や心移植例はなく、予定外入院を12例、心室頻拍を12例に認めた。RVEF, LVEF, 心拍出量や肺動脈弁逆流率(PRF)は経時的な変化を認めなかったが、RV, LVともにEDViとESViは経時的に増加した。RV, LVともにstrainは経時的に低下した。RV: GRS 42.0±13.8, 39.0±12.9, p<0.01 (1, 2回目), GLS -20.4±3.6, -19.6±3.4, p<0.01, GCS -20.7±3.1, -19.8±3.3, p<0.01. LV: GRS 30.8±9.8, 28.7±9.9, p<0.01, GLS -17.0±3.5, -16.2±3.3, p<0.01, GCS -22.4±2.9, -21.1±3.2, p<0.01. Strainの低下率はRVよりもLVの方が大きかった。予定外入院や心室頻拍の有無との相関はRV strainで認めたが、RVEFやLV strainやLVEFとの相関は認めなかった。
【結論】7年間の観察期間でPRF,LVEF,RVEFは保たれていたがRV, LV strainは減少していた。RV strainは青年期rToF患者の予定外入院発生を予測する可能性がある。