[OR9-2] 成人先天性心疾患における非生理的血流とAortopathy
キーワード:Aortopathy, 4D flow MRI, エネルギー損失
【背景】成人先天性心疾患におけるAortopathyは組織学的異常と血行動態的な異常が関与すると考えられる 【目的】4D flow MRIを用いて成人先天性心疾患における非生理的血流とAortopathyの関係を検討した 【方法】前向き研究であり、研究1はTOF術後51人、研究2はTGA術後(Jatene9人、Senning13人)を対象とし、コントロール群と比較した。また4D flow MRIを用いて渦流、らせん流、壁ずり応力、エネルギー損失、LVOT-上行大動脈鋭角度、大動脈弓鋭角度等測定し、Aortopathyとの関係を検討した。【結果】研究1.TOF Aortopathy群では非生理的血流を認めエネルギー損失も大きかった。多変量解析ではLVOT-上行大動脈鋭角度はAortopathyに関係する重要な因子であった。研究2. Jatene、Senning群ともに非生理的血流を認めエネルギー損失も大きく、Jatene群でより顕著であった。大動脈弓鋭角度とバルサルバ洞-上行大動脈径比はAortopathyに関係する重要な因子であった。【考察】非生理的血流とAortopathyは鶏と卵の関係であり、ある時点までは組織学的異常により徐々に大動脈が拡大し非生理的血流を生じると思われるが、ある時点からは拡大した大動脈内の非生理的血流によりAortopathyの進行が加速する可能性があり、このターニングポイントを4D flow MRIにて捉えられるか否かは、非生理的血流を経時的にを追う必要があり、現時点では不明である。【結論】成人先天性心疾患TOFやTGAにおいて上行大動脈に著明な非生理的血流を認め、エネルギー損失も大きく、Aortopathyに関与する可能性が示唆された。