[P13-1] 右室心尖部の運動方向の決定因子と右室機能計測に与える影響-MRIによる検証
キーワード:TAPSE, 心尖部, 右室
【背景】心尖部は心周期を通じてほぼ一定の場所にあるとされるが、実際にはさまざまに移動する。右室心尖部の運動方向は右室長軸機能計測に影響を与えるが、その成因と右室長軸機能計測のへの影響の詳細は不明である。右室心尖部の運動方向の決定因子と右室長軸機能への影響を探索的に検討する。
【方法】対象は当施設にて心臓MRI検査(cMR)を施行した二心室循環の37症例(中央値12.3歳)。cMR四腔断面で、三尖弁からみた収縮期右室心尖部の運動方向をvisualに、寄る(A群)、ほぼ不動(B群)、逃げる(C群)の3群に分けた。これらと心電図およびMRIの諸指標との関連を検討した。三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)は四腔断面拡張期右室長軸径 (RVDd)で除してcTAPSEとした。四腔断面収縮期右室長軸径(RVDs)を計測し、長軸方向の短縮率(RV-LFS)を求めた。容積指標はSimpson法で求めた。
【結果】A, B, C群は各17, 14, 6例で、群間で年齢・PR時間・QRS時間・右室/左室容積・駆出率に有意差を認めなかった。cTAPSEとRVEFの関係において、B群とC群では有意な正の相関を示した (B群:p<0.01、C群:p=0.03)が、C群では有意な相関を認めず、cTAPSEがRVEFをunderestimateした。一方、RV-LVSは群によらず、RVEFと相関を認めた(A群:p=0.042、B群:p<0.0001、C群:p=0.047)
【結論】心尖部運動方向の決定因子は不明であった。心尖部は実際に固定されていない症例が多く、心尖部の運動方向によりTAPSEは右室機能を過大あるいは過小評価し得る。右室長軸機能としては、TAPSEより心尖部の偏位の影響を受けないB-modeでのRV-LFSの方が優れていると推測され、今後より多数例での検証が必要である。
【方法】対象は当施設にて心臓MRI検査(cMR)を施行した二心室循環の37症例(中央値12.3歳)。cMR四腔断面で、三尖弁からみた収縮期右室心尖部の運動方向をvisualに、寄る(A群)、ほぼ不動(B群)、逃げる(C群)の3群に分けた。これらと心電図およびMRIの諸指標との関連を検討した。三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)は四腔断面拡張期右室長軸径 (RVDd)で除してcTAPSEとした。四腔断面収縮期右室長軸径(RVDs)を計測し、長軸方向の短縮率(RV-LFS)を求めた。容積指標はSimpson法で求めた。
【結果】A, B, C群は各17, 14, 6例で、群間で年齢・PR時間・QRS時間・右室/左室容積・駆出率に有意差を認めなかった。cTAPSEとRVEFの関係において、B群とC群では有意な正の相関を示した (B群:p<0.01、C群:p=0.03)が、C群では有意な相関を認めず、cTAPSEがRVEFをunderestimateした。一方、RV-LVSは群によらず、RVEFと相関を認めた(A群:p=0.042、B群:p<0.0001、C群:p=0.047)
【結論】心尖部運動方向の決定因子は不明であった。心尖部は実際に固定されていない症例が多く、心尖部の運動方向によりTAPSEは右室機能を過大あるいは過小評価し得る。右室長軸機能としては、TAPSEより心尖部の偏位の影響を受けないB-modeでのRV-LFSの方が優れていると推測され、今後より多数例での検証が必要である。