[P14-3] 在胎24週未満の左心機能についての検討
キーワード:超早産児, 左心機能, 未熟心筋
【始めに】超早産である在胎22週、23週では、その心筋の未熟性に伴い、24週以降の循環管理とは異なった特徴があると考えられる。そこで今回、22週、23週の児の心機能を検討したので報告する【対象】2005年1月から2018年12月までに当院NICUで入院管理された1500g以下の極低出生体重児。在胎22週、23週の超早産児24例(出生体重 中央値518g;370~694))をE群。在胎24週以上の205例をC群(出生体重 中央値1057g 、在胎週数 中央値29週0日 24週0日~36週0日)として比較検討した。【方法】心臓超音波検査によりM moode法により、左室拡張末期径(LVIDd)、左室収縮末期径(LVIDs)、収縮末期左室後壁厚(PWs)、駆出時間(ET)、心電図もしくはM-modeにより心拍数(HR)を測定し、収縮末期壁応力(WS)、心拍補正左室円周短縮速度(mVcdfc)を、生後12時間以内、24時間、48時間、96時間で測定した。統計解析はEZRを使用し、p<0.05を有意とした。値は中央値(最小値~最大値)で表現した。【結果】WS(g/cm2)はE群;C群で12時間 17.7(5.3~33.3);23.8(4.0~53.8)、24時間 21.0(8.9~57.9);29.9(0.8~61.3) 48時間19.7(11.6~56.9);28.3(6.7~71.4) 96時間 13.7(9.3~25.3);26.1(3.7~100.7)と推移し、各時間で群間に有意差を認めた。LVDd(mm)もE群;C群で12時間、8.6(7.0~11.1);11.9(0.7~17.7)、24時間、9.7(7.0~11.6);12.6(7.9~17.2)、48時間、9.8(8.1~13.4);12.5(8.7~17.7)、96時間、9.5(6.8~11.6);12.8(8.4~45.0)、となり、同様に群間に有意差を認めた。【結語】22週、23週の超早産児はそれ以降の児に比べ、より低いWS、より小さいLVDdで機能しており、循環指標として使用する際は注意が必要であると考えられた。