The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

カテーテル治療

デジタルオーラルII(P15)
カテーテル治療 1

指定討論者:須田 憲治(久留米大学医学部 小児科)
指定討論者:星野 健司(埼玉県立小児医療センター 循環器科)

[P15-1] 低体重児の動脈管開存症に対する閉鎖術式の推移

桑原 直樹1, 寺澤 厚志1, 山本 哲也1, 田中 秀門1, 後藤 浩子1, 桑原 尚志1, 川口 祐太朗2, 渕上 泰2, 岩田 祐輔2, 山本 裕3, 河野 芳功3 (1.岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児心臓外科, 3.岐阜県総合医療センター 新生児内科)

Keywords:カテーテル治療, 動脈管開存症, Amplatzer Piccolo Occluder

【背景】Amplatzer Piccolo Occluder(APO)が導入され、動脈管開存症(PDA)に対するカテーテル治療適応の拡大が期待されている。【目的】低体重児のPDA閉鎖術施行例について選択術式の推移および成績を検討しカテーテル治療の課題を検討すること。【対象および方法】2013年以降、PDA (複雑心奇形合併例を除く)に対する閉鎖術を施行した10kg未満の86例(男30例、女56例)についてA群(施行時体重1kg未満)、B群(1-2kg)、C群(2-6kg)、D群(6-10kg)に分類し、選択術式、PDA径、術前後経過を後方視的に検討した。【結果】A群は28例(全例外科手術を施行)で施行時体重0.76±0.15kg、施行時日齢19.8±11.7日、PDA径1.7±0.5mm、B群は11例(全例外科手術を施行)で体重1.23±0.25kg、日齢19.8±9.7日、PDA径2.2±1.2mm、C群は21例(カテーテル治療1例、外科手術20例)で体重3.80±1.73kg、日齢86.0±140.2日、PDA径4.4±1.5mm、D群は26例(カテーテル治療25例(ADO17例、Coil 8例)、外科手術1例)で体重8.26±2.75kg、日齢268.5±240.1日、PDA径3.2±1.7mm。選択術式の推移については2016年以降6kg以上の症例ではすべてカテーテル治療が選択されていた。ADO-II導入以降Coil治療選択例はなかった。手術関連死亡なし。合併症はA群で反回神経麻痺、B群で乳び胸、D群ADO治療例で溶血(血小板減少)をそれぞれ1例認めた。残存短絡はC群で2例(外科手術1例、ADO1例)、D群で1例(Coil)を認めた。カテコラミン使用例は40/86例(A群96.4%、B群90.9%、C群14.2%、D群0%)だった。【考察】B群はPDA径3mm以下の症例もあり、APO留置可能な症例が含まれている。2-6kgの症例は体重増加が望めない太いPDA症例が多く、治療時期や術式選択が重要である。6kg以上の症例については安全にカテーテル治療が実施できていている。【結語】外科手術成績は良好であり、カテーテル治療適応拡大のためには、APO症例の蓄積と術前術後の低侵襲な全身管理が重要になる。