[P15-3] 当センターにおけるピッコロオクルーダー時代の動脈管閉鎖術に関する検討
Keywords:動脈管, Piccolo, カテーテル治療
【背景】2020年4月より低出生体重児のPDAに対するPiccoloオクルーダーの使用が可能となり、PDAに対するカテーテル治療の選択肢が拡がっている。【目的】当センターにおけるPDAに対する治療方法をまとめ、ピッコロオクルーダー時代のPDAに対する治療戦略を考察する。【方法】2020年4月以降、当センターでPDAに対して閉鎖術を行った22症例(カテーテル治療:13例、外科的閉鎖術:9例)を対象とし、診療録をもとに後方視的検討を行った。【結果】カテーテル治療の内訳はPiccolo 6例、ADO1 4例、 ADO2 1例、 Flipper coil 1例、Platinum coil 1例であった。4kg未満の症例は4例(2.5~3.6kg、日齢11~40日)で全例Piccolo使用。Krichenko分類はtypeA 2例、typeC 1例、type F 1例であった。Intraductalに留置した症例はなかった。合併症は軽度の大動脈縮窄が1例。6kg以上の症例でPiccoloを使用したのは2症例で共にtype Eであった。外科的閉鎖術を選択した9例の内訳は、700g未満 1例、700~1kg 3例、1~2kg 3例、2kg~ 2例であった。2kg~の症例でカテーテル治療が選択されなかった理由は、typeBで形態的に不適と判断した1例と、付加的姑息術(肺動脈絞扼術)を検討したAVSDの1例であった。【考察】Piccoloは操作が比較的簡便なこともあり6kg以上の児にも使用され、特にFlipper coilの代替として今後もその使用が増えていくことが予想される。一方で小さな体格の児に対してintraductalに留置できない場合は大動脈縮窄や肺動脈狭窄が、また形態的にdevice migrationが懸念される場合もあるため、適応に関しては術前のシミュレーションが重要と考える。