The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

カテーテル治療

デジタルオーラルII(P17)
カテーテル治療 3

指定討論者:片岡 功一(広島市立広島市民病院)
指定討論者:佐藤 誠一(沖縄県立南部医療センター・こども医療センター)

[P17-4] 右室流出路ステント留置を行なった4症例

杉山 隆朗, 藤岡 泰生, 稲毛 章郎, 大石 芳久 (日本赤十字社医療センター)

Keywords:カテーテルインターベンション, ファロー四徴症, ステント

【背景】Fallot四徴症(TOF)などのチアノーゼ性心疾患において肺血流を確保する目的にBlalock Taussig短絡術(BTS)が施行されてきた。近年BTSに代わるカテーテル治療として、右室流出路ステント留置(RVOTS)の有効性が議論されてきているが、本邦からの報告は少ない。今回、当院でRVOTSを行なった4症例について報告する。【症例1】在胎28週1日,出生体重602g。21トリソミー、両大血管右室起始症、肺動脈弁下狭窄の診断。日齢19より重度のチアノーゼ発作を認める様になった。低体重、肺動脈低形成のためBTSは困難と判断し、日齢33(体重900g)にRVOTS(3mm×8mm)を開胸下に施行した。チアノーゼは改善し、経皮的右室流出路拡大術(日齢76)、BTS手術(日齢215)、右室流出路形成+ステント抜去+BTS閉鎖(1歳11ヶ月)を経て、2歳8ヶ月時に心内修復術を施行した。【症例2】在胎37週4日,出生体重2472g。21トリソミー、TOFの診断。月齢3(体重 5.6kg)にかけて重度のチアノーゼ発作を認める様になり、RVOTS(5mm×17mm)を企画した。術中にステントの破損により留置・回収が困難となり、緊急で右室流出路形成術、ステント回収を施行した。月齢10ヶ月で心内修復術を施行した。【症例3】在胎35週6日,出生体重2682g。TOFの診断。動脈管は左肺動脈遠位へ流入しており、BTS後に動脈管閉鎖に伴う左肺動脈閉塞が懸念される形態であったため、日齢64(体重4.3kg)でRVOTS(6mm×14mm)を施行した。チアノーゼは改善し、日齢84に自宅退院となり、現在、根治術待機中である。【症例4】在胎39週1日、出生体重1545g。18トリソミー、TOFの診断。低体重、肺動脈低形成のためBTSは困難と考えられ、日齢51(体重2.0kg)にRVOTS(5mm×15mm)施行した。チアノーゼは改善し、日齢65に前医へ転院となった。【考察/結語】右室流出路ステントを留置した4症例を経験した。BTS手術が困難な場合に積極的に検討する価値のある手技であると考える。