The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

一般心臓病学

デジタルオーラルII(P2)
一般心臓病学 2

指定討論者:辻井 信之(奈良県立医科大学 小児科)
指定討論者:北野 正尚(沖縄県立南部医療センター・こども医療センター)

[P2-3] Structural heart disease既往なく急性心不全にて当院PICU入室に至るも補助循環を要しなかった症例の検討

富永 健太, 田中 敏克, 城戸 佐知子, 小川 禎治, 亀井 直哉, 松岡 道生, 三木 康暢, 堀口 祥, 永尾 宏之, 近藤 亜耶 (兵庫県立こども病院 循環器内科)

Keywords:急性心不全, PICU, 予後

【背景】構造的心疾患を基礎疾患に持たずに急性心不全を呈する症例があるが、急性心不全の原因と予後は様々である。補助循環導入を要せずに内科的管理にて急性期を脱する症例も多い。しかし、その長期予後は明らかではない。【目的】構造的心疾患を基礎疾患に持たずに急性心不全を呈する症例の予後を明らかにすること。【対象/方法】対象は2016年5月-2021年2月の期間に当院 PICU入室に至った11例で、診療録を用い後方視的に検討した。【結果/予後】7例が急性心筋炎、4例が拡張型心筋症と診断された。死亡例は認めなかった。その11例の内、5例で急性期に呼吸補助(人工呼吸3例/NPPV1例/HFNC1例)を施行された。呼吸補助を要しなかった6例と比して、年少の傾向を認めた。PICU入室時の左室径短縮率は <10%-19%であったが、半年後には8例で、25%以上に改善し、一年後には9例で25%以上に改善したが、残り2例では20%前後で推移していた。その2例は急性期に呼吸補助を要していた。11例中、内服薬による抗心不全治療中の症例は6例であった。【考察】今回の検討では9症例で一年後の左室径短縮率の25%以上への改善を認めているが、その内、4症例で抗心不全治療薬内服中であった。呼吸補助を要した症例でも、LVFS正常化/抗心不全治療(-)の症例がある一方、LVFS低値で推移する症例を認める。急性期の重症度と一年後の心機能予後との関連性が低い事が示唆された。【結語】補助循環を要さずに経過した症例でも、心収縮の正常化に至らない症例があり、その症例を如何に管理するかが今後の課題である。