[P25-5] 三尖弁閉鎖症1cに対するmPAB術後、早期に右室流出路狭窄をきたす症例が存在する
Keywords:三尖弁閉鎖症, 主肺動脈絞扼術, 右室流出路狭窄
【背景・目的】三尖弁閉鎖症(TA)で新生児期早期に主肺動脈絞扼術(mPAB)が必要な症例があるが、術後早期に右室流出路狭窄(RVOTS)が進行し、BTS要する症例が存在する。その特徴と対策を検討する。【対象と方法】2010/1/1-2020/09/30に当院で治療したTA1c 6例中4例で術後RVOTS進行の有無が問題になった。治療経過、術前エコーのVSD/A弁(v)/Pv径(mm)、Glenn前のRVOT長(カテ側面 mm)を検討した。【結果】Case1:在胎38週5日(GA38/5)、男、出生体重(BW)2933g。VSD6.7/A弁(v)7.3(103%N)/Pv7.6(94%N) 。PDA3.4mmあり早期にHigh flowが進行し、日齢(d)9にmPAB(BW+17mm)+PDA結紮を行った。術後7日目(POD7)からSpell様症状を呈し、d24にmBTS(3mm)を追加。RVOTは15.3mmと短め。Case2:GA38/4、男、BW2342g。VSD6.8/Av7.7(115%N)/Pv6.6(2尖 73%N)。PDA2.5mmあったが、RVOTはConusが目立ちmPAB の適応を慎重に検討していた。3MでmPAB(BW+19mm)+PDA結紮。RVOT26.mmと長いが狭窄進行なし。Case3:GA38/4、女、BW2430g。VSD5.3/Av6.9(101%N)/Pv6.4(84%N)。早期にHigh flow進行しd10にmPAB(BW+17mm)を行った。POD9からSpell様症状を呈し、d42にDKS+mBTS(3.5mm)を追加。RVOT長15.3mm 。Case4:GA38/1、男、BW2795g。VSD8.2/Av8.2(116%N)/Pv7.5(95%N)。High flowに内科的心不全治療を行い待機し、d31にmPAB(BW+19mm)を行った。RVOT14.7mmで狭窄進行はなし。【考察】TA1cへのmPAB後にRVOTSが進行し、BTSを必要とする症例が存在する。前述の2例(Case1&3)は、新生児期の介入を要し、絞扼径をBW+17mmした症例であった。介入時期は過去にBTS追加例が存在しない生後1M以降が妥当と考える。生後2週までにmPABが必要な場合は、追加BTS回避のため、体重増加に伴うTighteningを期待したloose PABが(当院は単心室のmPABは基本BW+17mmだが)より適切と考える。【結語】TA1cではmPAB後のRVOTS予防のため、1M以降での手術およびloose PABが望ましい。