The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Digital Oral

心不全・心移植

デジタルオーラルII(P29)
心不全・心移植 1

指定討論者:進藤 考洋(国立成育医療研究センター)
指定討論者:平 将生(大阪大学大学院医学系研究科 )

[P29-4] 心臓移植治療を受ける学童期患児への意思決定支援について

清川 絢加, 田中 光, 岡田 咲子, 藤本 美奈子, 山下 知穂 (国立循環器病研究センター)

Keywords:学童期, 心臓移植, 意思決定支援

【はじめに】子どもの年齢や理解度に応じて行基や治療についてわかりやすく伝えることにより不安や緊張を和らげ、子どもが潜在的に持つ病気に立ち向かう力を鼓舞する。自分の病態や治療が理解不十分であった心臓移植治療を受ける学童期の患児への意思決定支援について報告する。【看護の実際】幼児期で拡張型心筋症と診断を受けた児。体外式補助人工心臓(以下、VAD)装着前に心臓移植の説明は受けていたが、患児の理解は断片的だった。VADに対して患児の受け入れは良かったが、病態や現状についての理解が不十分なまま過ごしていた。心不全の増悪、創部の悪化などが重なり、治療拒否がみられたため介入した。まず、患児が心臓移植についてどのように理解しているのかを確認した。次に、患児が心臓移植の説明を受け入れやすくするために、心の準備のサポートをする役割を担っているチャイルドライフスペシャリスト(以下CLS)と共に心臓移植の説明に繋げた。患児が心臓移植について興味を示した段階で、家族・多職種が同席し、移植コーディネーターからの心臓移植についての説明を実施した。その結果、心臓移植までの治療の必要性について理解でき、治療に対して前向きに取り組めるようになった。【考察】患児の心臓移植に対しての心の準備とし、CLSと共に介入したことでスムーズに心臓移植の説明に移行できた。学童前期は不十分な説明であると不信感を抱く時期でもある。本人が治療について知れる機会を作ったことで前向きに治療に取り組めることができるようになった。移植治療は患者や家族の十分な理解が必要とされる。児理解できる範囲で心臓移植についての知識を深め、移植に向けて治療に取り組めるようになったと考える。【結論】心臓移植は長期間に渡って治療が必要となる。そのため、成長発達段階や理解度に応じた説明を行い、患児が主体的に治療に取り組めるように介入していくことが望ましい。