The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

心不全・心移植

デジタルオーラルII(P29)
心不全・心移植 1

指定討論者:進藤 考洋(国立成育医療研究センター)
指定討論者:平 将生(大阪大学大学院医学系研究科 )

[P29-6] 心臓移植後のBNP

石戸 美妃子, 原田 元, 新川 武史, 稲井 慶 (東京女子医科大学 循環器小児科)

Keywords:心臓移植後, BNP, 移植時年齢

背景心不全のバイオマーカーとしてBNPは日常的に使用されているが、小児心臓移植後のBNPについての知見は少ない。心機能が良好で元気な移植後患者の中にもBNPが高めで推移する患者が存在する。目的小児心臓移植後患者におけるBNPの病的意義について検討する。方法小児期に心臓移植を受けて当院循環器小児科で管理されている11名について、移植時年齢、移植後経過期間、NYHA、心臓カテーテル検査・心臓超音波検査の結果、拒絶反応の有無とBNPに相関があるかを、術後6ヶ月時と最終受診時について後方視的に検討した。結果移植時年齢は7.0±5.4歳、移植後経過期は5.5±4.2年、全例NYHAはI、拒絶反応は1R2例で各1回。移植後6ヶ月のBNPは53.9±23.8pg /dl、最終受診時で42.0±29.2pg /dlで、移植時年齢とBNPには負の相関関係を認めた。(r=-0.68、p=0.01、r=-0.54、p=0.04)しかし、心臓カテーテル検査のCVP, PAP, PAw, LVEDP, C.I, RpとBNPには相関を認めなかった。心臓超音波のLVDdとBNPには負の相関関係を認めたが(r=-0.69、p=0.01、r=-0.65、p=0.03)、FS、E/Eaには相関を認めなかった。また、拒絶の時のBNPも上昇していなかった。結論移植時年齢が低い患者でBNPは高めに推移することがわかった。しかし、血行動態、心機能と移植後のBNPは必ずしも相関がなく、軽度の拒絶では上昇を認めなかった。