[P30-6] 当院における小児に対する開胸下CRTの有用性
Keywords:CRT, 心不全, ペースメーカー
【背景】小児、特に心構築異常を有する症例でのCRTの有用性は明らかになっていない。【目的】当施設における小児CRT実施患者について、その効果を検討すること。【対象と方法】2013年7月以降でCRTを施行した連続12症例について、後方視的に検討。【結果】観察期間は中央値3.6年(1か月~5.6年)。CRT施行時年齢は中央値5.2歳(5か月~17歳)。全例エコーでdyssynchronyを証明し、開胸下にCRT植え込みを行った。症例の内訳は機能的単心室7例(無脾症/SA/SVが4例、HLHS2例、三尖弁閉鎖1例)、二心室5例(DCM2例、DORV/PA/ TGA術後1例、hypo RV/ PS術後1例、VSD/SAS術後1例)。12例中7例は房室ブロックのため既にPM留置が行われCRTにup gradeしたが、5例は心不全とDyssyncrhonyを認めたため一期的にCRT留置を行った。経静脈的に電極カテーテルを用いCRT studyを7例に行ったところ、検査中はDp/Dtや血圧が上昇するなど効果が期待されたが、そのうち2例は実際に留置するとnon-responderであった。12例中1例は留置後間もないため判定保留、8例(67%)はEFの改善やQRSの狭小化、カテコラミンからの離脱や退院が可能となるなど効果が認められたが、3例には効果がなくそのうち1例は死亡した。CRT留置前の心電図では9例が完全左脚ブロックを示し6例有効(67%)、3例が完全右脚ブロックを示し2例が有効(67%)であった。2例が留置後のトラブルを認めており、1例はリード断線、1例はリード感染であった。【結語】小児に対する開胸下CRTは67%と一定の効果が得られたが、シミュレーション通りの結果が得られない症例も存在するなど問題点も多い。小児は成長するという特性を有しており、リード断線のリスクを有しており、留置後も注意深い経過観察が必要である。