The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

術後遠隔期・合併症・発達

デジタルオーラルII(P33)
術後遠隔期・合併症・発達 2

指定討論者:金子 幸裕(国立成育医療研究センター 心臓血管外科)
指定討論者:池田 義(京都大学医学部附属病院)

[P33-6] 乳児早期に介入を要するファロー四徴類縁疾患

陳 又豪1, 金 成海1, 石垣 瑞彦1, 佐藤 慶介1, 芳本 潤1, 満下 紀恵1, 新居 正基1, 田中 靖彦1, 坂本 喜三郎2 (1.静岡県立こども病院 循環器科, 2.静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:ファロー四徴症, 乳児早期, 合併症

【背景】ファロー四徴(TOF)や類似の血行動態を示す両大血管右室起始(DORV)の大部分は生後4-9ヶ月,または体重5-9kgで待機的修復術の適応となる.一方,重篤なチアノーゼを呈し早期介入を要し管理に難渋する例も少なからず経験する.【目的・方法】当院で乳児早期(生後3ヶ月未満)に介入を要した同疾患群の介入方法別に,適応と転帰について後方視的に検討した.【対象】2000年1月-2019年12月までの20年間の同疾患群で,3か月未満に介入を要した45例.肺動脈閉鎖, 肺動脈弁欠損, 単心室血行動態を除外し,房室中隔欠損合併例は含めた.【結果】45例の基礎疾患はTOF 33例(男18:女15),DORV+PS 12例(男6:女6)であった.介入方法としては乳児早期に(1)心内修復術14例,(2)姑息手術20例(palliative Rastelli 1例, Shunt 19例),(3)カテーテル姑息術11例(バルーン弁形成10例,右室流出路ステント1例)であった.それぞれの月齢(m)は中央値で2.2(1.7-2.8), 1.4(1.0-2.3), 1.6(1.1-2.1)、体重(kg)は4.5(3.6-5.4), 3.8(3.2-4.1), 3.9(3.0-4.8)であった.気道・消化器などの心外疾患の合併は,それぞれ5例(36%),1例(5%),2例(18%),遺伝性疾患の合併は,それぞれ3例(21%),7例(35%),4例(36%),流出路VSDの合併は,それぞれ2例(14%),1例(5%),5例(46%)であった.(1)では5例(36%)併存疾患のため早期の血行動態安定化を適応としたが,1例は術後早期死亡,3例はRVOT心室瘤,肺動脈狭窄や遠隔期に肺動脈弁逆流などの再介入を要する合併症を認めた.(2)と(3)では,術後早期の合併症率はそれぞれ20%,0%であったが,全例心内修復に到達した.(1)-(3)の弁輪温存率は,それぞれ3例(21%),10例(50%),0例(0%)であった.【考察】乳児期早期に介入を要する群で,心内修復術後の成績と弁輪温存率は高くない.個々の状態に応じて綿密に初回介入方法を検討する必要がある.