[P36-5] 右室流出路狭窄に対する流出路再形成術後急性期における不整脈発症と右室心筋の病理所見
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【背景】右室流出路再手術症例の術後急性期の不整脈の発症と右室心筋の病理所見との関連を検討。【方法】術後急性期の不整脈の発症と、右室流出路再形成術時に採取した右室自由壁の心筋組織の線維化率(%fibrosis)と心筋細胞の肥大の有無との関連を後方視的に検討した。【対象】2014年12月~2020年12月で、当院で心内修復術後右室流出路狭窄に対して右室流出路再建術を施行した13例中、右室心筋の術中生検を施行した9例。手術適応基準はRVSP/LVSP:0.8以上または圧較差50mmHg以上とした。【結果】初回心内修復時の年齢は1.4(7.3-24)歳、再右室流出路手術時の年齢は17(13-47)歳。術前心電図ではすべて正常洞調律、7例が完全右脚ブロック、2例が不完全右脚ブロックであった。術前に上室性不整脈や心室性不整脈を認めた症例はなかった。術前のカテーテル造影検査でRVEDVIは、88.2(73-160)ml/m2であった。QRS幅は136(92-158)msecであった。術前のRV/LVは0.96(0.66-1.09)であり、右室流出路の圧較差は75.5(43-126)であった。肺動脈弁置換は2例で、弁付き人工血管は7例。術後急性期の不整脈発症は3例で、非持続性心室性頻拍(NSVT)が1例、発作性心房性頻拍(PAT)が1例、および洞機能不全(SSS)が1例であった。右室心筋の病理所見で%fibroisは、10%以上を6例(6/9, 67%)で認め、心筋の肥大を2例(2/9, 22%)で認めた。術後急性期に不整脈を認めた症例では、NSVTの患者(術前のRV/LV 0.78、PG 46mmHg、病理で一部心筋細胞の空胞化変性あり)で%fibrosisは27%、PATの患者(術前のRV/LV 1.06、PG 126mmHg、右室心筋は脆弱、肉眼的にも繊維化あり)で14%、SSSの患者(術前のRV/LV 1.07、PG 78mmHg、LAD末梢の閉塞)で22%でいずれも%fibrosisは高かったが、心筋の肥大は認めなかった。【結語】心内修復術後右室流出路狭窄患者において、患者では術後急性期の不整脈を起こした患者では、右室心筋組織の繊維化率が高い可能性が示唆された。