The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

染色体異常・遺伝子異常

デジタルオーラルII(P4)
染色体異常・遺伝子異常 1

指定討論者:山岸 敬幸(慶應義塾大学医学部 小児科)
指定討論者:金 基成(神奈川県立こども医療センター)

[P4-5] 当院における18trisomyの治療介入の現状

山田 浩之, 山形 知慧, 佐藤 麻朝, 矢内 俊, 森川 哲行, 小山 裕太郎, 宮田 功一, 永峯 宏樹, 大木 寛生, 前田 潤, 三浦 大 (東京都立小児総合医療センター)

Keywords:18trisomy, 在宅医療, 姑息手術

【背景】当院では,先天性心疾患を有する18 trisomyの児に対して,在宅医療への移行を目的とした場合,姑息手術まで行う方針としているが実際に施行している例は限られている.【目的】当院で経験した18トリソミーの児の経過と予後を調査し,それに関わる因子を明らかにし,より良い治療介入を検討する.【方法】2010年3月から2021年1月にNICUへ入院した18trisomy 49例を対象とし,患者背景,心疾患内訳,外科的手術介入,在宅移行率,生存率,死亡原因等について診療録に基づき後方視的に検討した.【結果】女児35例(71%),在胎週数は中央値38週(25-41週),出生体重中央値1758g(542-2546g).全例が心疾患を合併し,高肺血流型(VSD,DORV,AVSD,PDA)37例,動脈管依存+高肺血流型(HLHS,CoA+VSD)10例, 低肺血流型(TOF,DORV+PS)2例.心外奇形は食道閉鎖9例,口唇口蓋裂4例,脊髄髄膜瘤2例,鎖肛2例,腹壁破裂1例,水頭症1例.手術は消化器疾患に対し3例、脳外科疾患に対し2例,心疾患に対しBTシャント術が1例のみ,気管切開は4例で施行.2021年1月時点の生存は6名で,生存期間中央値は155日(0-2445日),1年生存率は26%,在宅移行率は50%.食道閉鎖合併例で手術希望なかった7例は6日以内,腹壁破裂合併例は出生後数時間で死亡.その他死亡退院となった15例の死因は,心不全3例,呼吸不全6例,無呼吸6例.在宅移行群23例と非在宅移行群23例にわけ比較したところ,非在宅移行群で食道閉鎖の合併が有意に多く,移行群で陽圧補助換気の頻度が有意に高かった (P<0.05).【結論】18 trisomyの児の50%が在宅移行可能で、陽圧補助換気が有用と考えられた.人工呼吸管理を伴う在宅移行にあたっては地域との医療連携を十分確立する必要がある.