[P4-6] Fontan手術を行ったDown症候群患者の血行動態の変化
Keywords:Down症候群, Fontan手術, 肺高血圧治療薬
【背景】Fontan手術を行ったDown症候群(DS)の患者は少なく、また、術後の中心静脈圧(CVP)等の変化について検討した論文は少ない。【目的】Fonan術後のDS患者の血行動態変化を明らかにすること。【方法】当院でFontan手術を行ったDS患者全例と、その5倍の症例数Fontan手術を行ったnon-DS患者を、診療録を用いて後方視的にカテーテル検査データ、血液検査結果、合併症、生存率を比較した。CVP、transpulmonary pressure gradient (TPG)、SaO2等の計測値の経年的変化について各群毎に回帰分析を行い、傾きを比較した。【結果】7人のDS群7人、non-DS群35人を検討した。観察期間はそれぞれFontan術後14.7年、15.0年で、死亡例はDS群で1人だった。Non-DS群と比較して、CVPとTPGはDS群で有意に経年的な上昇(それぞれp<0.005、p<0.005)が見られ、SaO2はDS群で有意に経年的な低下(p<0.01)が見られた。また、DS群のpulmonary vasodilator(PVD)を使用された患者ではPVDの使用前後でCVPの低下が見られた。【考察】DS患者はFontan術後CVPが上昇する傾向にあり、PVD等さらなる管理の検討が必要である。