The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

デジタルオーラルII(P41)
肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患 3

指定討論者:松裏 裕行(東邦大学医療センター大森病院小児科)
指定討論者:澤田 博文(三重大学医学部)

[P41-5] 肺高血圧症状を契機に診断し免疫抑制治療を先行させることができた結合組織病の2小児例

橋本 和久, 高橋 邦彦, 藤崎 拓也, 森 雅啓, 松尾 久実代, 浅田 大, 石井 陽一郎, 青木 寿明, 萱谷 太 (大阪母子医療センター 小児循環器科)

Keywords:肺高血圧症, 膠原病, 結合組織病

はじめに:肺高血圧(PH)症状を契機に見つかる結合組織病(CTD)の症例は稀であるが、治療戦略に関わるため迅速な診断が重要である。 症例1:15歳女児。VSDの既往。倦怠感の進行を主訴に前医受診。心エコーにてTRPG 50mmHgのPH認めたため当院へ紹介。NYHA 4度。血液検査にて貧血あり直接クームス陽性であったためCTD-PHと判断し、入院当日にmPSLパルス施行、翌日には臨床症状改善。後に各種検査からMCTDと診断。PSLで原病治療。心臓カテーテル検査で、mPAP 25mmHg, PVRI 7.3 WU・m2にてアドシルカ導入し退院。1年後には、mPAP 10mmHg, PVRI 1.4 WU・m2まで改善し、アドシルカ中止し経過観察中である。 症例2:9歳女児。倦怠感が持続し、臥位で増強する咳嗽を主訴に近医受診。3系統血球減少と抗核抗体陽性、心拡大認め当院へ紹介。NYHA3度。心エコーにてTRPG 50mmHgのPH認めた、CTD-PHと判断し、ステロイド治療開始し、臨床症状改善を認めた。各種検査からMCTDと診断。PSLとMMFで原病治療。心臓カテーテル検査では、mPAP 33mmHg, PVRI 6.7 WU・m2にてアドシルカ導入し、現在外来観察中である。 考察:小児期の結合組織病やPHの診断は難しく、症状出現から診断まで長期間要することがある。CTDの疾患活動性を早期に評価し、免疫抑制療法を速やかに行い、PH治療へつなげることが重要と考える。