[P48-5] 当院でborderline left ventricleに対して新生児期に姑息術を行い、二心室修復を目指した2症例の検討
Keywords:Shone complex, biventricular repair, restrictie ASD
【背景】Borderline LVに対して左室の成長を促すために適切な体循環・肺循環を確立することが初回手術の目的であるがその調節は難しい。
【症例1】診断はcAVSD (Rastelli typeA), CoA, PDA, bilateral SVC。在胎40週2710gで出生。LVDd 14.1mm(Z-2.1), EFE(-), AVD 5.1mm(Z-2.3), LVOTS(-), 乳頭筋間距離9.9mm, ASDはnon-restrictiveだった。日齢14にArch repair, PA banding, ASD semi closureを行った。5ヶ月時の評価ではQp/Qs 1.3でLVDd 14.6mm(Z-3.5), AVD 5.1mm(Z-2.3), 左側房室弁輪11.0mm (Z-1.2)と左室腔の成長が得られず、二心室修復(BVR)は断念した。
【症例2】診断はShone complex (vAS, MS, CoA, hypoLV), ASD, PDA。在胎37週2618gで出生。LVDd 14.1mm(Z-1.9), LVEF 67%, EFE(-), AVD 5.2mm(Z-2.1), bicuspid, MVD 7.5mm(Z-2.5), 腱索短縮による開放制限あり, ASDは4.4mmだった。Rhodes discriminant score, CHSS-1 scoreとも二心室修復が可能との結果だったが、弁形態に不安があったため日齢10にStage I hybridを施行した。ASDはrestrictiveのままとした。術後下肢の低酸素、低心拍出症候群(LOS)が進行したため日齢17にrebandingを行ったが状態は変わらず、日齢24に経皮的大動脈弁形成およびstent strutのballoon拡大を行った。以後循環は安定し、日齢69に2957gで退院。退院前のLVDd 16.3mm(Z-0.77), LVEF 77%, AVD 5.5mm(Z-1.6), MVD 8.3mm(Z-2.1)でstent strutはaAoからdAoへ流れており、今後BVRの可能性を残す結果となった。
【結語】VSDの有無で大きく戦略が異なる。症例1ではinlet VSDを介して左房から右室へ流入する血流も多かったことが左室が成長しなかった一因と考えられ、bandingが緩めとならざるを得ない。症例2ではVSDがないためLOSとなったときにrebandingだけでなく大動脈弁への介入も早期に必要となった。このような症例はbandingと同時に大動脈弁への介入の成否が予後を決定する因子である。
【症例1】診断はcAVSD (Rastelli typeA), CoA, PDA, bilateral SVC。在胎40週2710gで出生。LVDd 14.1mm(Z-2.1), EFE(-), AVD 5.1mm(Z-2.3), LVOTS(-), 乳頭筋間距離9.9mm, ASDはnon-restrictiveだった。日齢14にArch repair, PA banding, ASD semi closureを行った。5ヶ月時の評価ではQp/Qs 1.3でLVDd 14.6mm(Z-3.5), AVD 5.1mm(Z-2.3), 左側房室弁輪11.0mm (Z-1.2)と左室腔の成長が得られず、二心室修復(BVR)は断念した。
【症例2】診断はShone complex (vAS, MS, CoA, hypoLV), ASD, PDA。在胎37週2618gで出生。LVDd 14.1mm(Z-1.9), LVEF 67%, EFE(-), AVD 5.2mm(Z-2.1), bicuspid, MVD 7.5mm(Z-2.5), 腱索短縮による開放制限あり, ASDは4.4mmだった。Rhodes discriminant score, CHSS-1 scoreとも二心室修復が可能との結果だったが、弁形態に不安があったため日齢10にStage I hybridを施行した。ASDはrestrictiveのままとした。術後下肢の低酸素、低心拍出症候群(LOS)が進行したため日齢17にrebandingを行ったが状態は変わらず、日齢24に経皮的大動脈弁形成およびstent strutのballoon拡大を行った。以後循環は安定し、日齢69に2957gで退院。退院前のLVDd 16.3mm(Z-0.77), LVEF 77%, AVD 5.5mm(Z-1.6), MVD 8.3mm(Z-2.1)でstent strutはaAoからdAoへ流れており、今後BVRの可能性を残す結果となった。
【結語】VSDの有無で大きく戦略が異なる。症例1ではinlet VSDを介して左房から右室へ流入する血流も多かったことが左室が成長しなかった一因と考えられ、bandingが緩めとならざるを得ない。症例2ではVSDがないためLOSとなったときにrebandingだけでなく大動脈弁への介入も早期に必要となった。このような症例はbandingと同時に大動脈弁への介入の成否が予後を決定する因子である。