The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

多領域

デジタルオーラルII(P56)
多領域 2

指定討論者:兵頭 昇(国立循環器病研修センター 看護部)
指定討論者:井上 麻瑞(国立循環器病研修センター 看護部)

[P56-2] 先天性心疾患患者の看護に関する学習会の効果と今後の課題

葛西 奈々美1, 中嶋 江梨菜1, 齋藤 真結子1, 工藤 和子1, 橋本 美亜2 (1.弘前大学医学部附属病院, 2.弘前大学大学院 保健学研究科)

Keywords:先天性心疾患, 看護, 学習会

【背景】当院小児科では、先天性心疾患(以下CHD)患者の術前・術後の全身管理を行っている。対象が小児である特殊性に加え、CHDの血行動態は複雑なものが多く、看護師の自己学習が重要である。しかし、CHDに関するテキストや研修会は少なく自己学習には限界がある。そこで定期的にCHDについての学習会を実施し、学習会での学びがどのように実践に繋がっているかを調査した。【目的】今後のCHD看護についての学習方法や指導方法の示唆を得ること。【方法】CHD看護に関わる病棟看護師14名を対象に、自作の質問紙調査を実施した。結果を単純集計し、自由記載については類似する内容ごとにカテゴリー分けした。【結果】学習会の参加により85.7%がCHDの病態について理解できていた。学習会は「復習の場所」となっており、「意欲の増強」のきっかけや「実践へ繋げる場所」となっていた。自らが講師となった場合は全員が病態について理解できたと回答していた。また、学習会は知識の確認や疑問解決の場となっており、64%が課題が明確になったと回答していた。一方で、「教材が少ない」「経験不足からの不安」「苦手意識」などの困りごとも明らかになり、学習後の実践への結び付け方法がわからないと考えていることがわかった。【考察・結論】学習会を開催することで、病態の理解ができ知識の確認や問題解決の場となり、学習会の成果があったと考える。しかし、既存のテキストでは複雑な心奇形や重症患者への看護には対応できないとの実態があり、一つの疾患でもその病態は複雑で理解することは容易ではない。教材が少なく、自己学習だけでは解決できない問題も多く、不安や苦手意識から実践へ繋げることが困難であることが明確となった。入院患者の事例をタイムリーに取り上げ、血行動態を色鉛筆で書くなどの学習方法を継続しながら病態や血液循環を理解し、点ではなく線となるような看護を目指した学習支援が必要である。