[P8-1] 左側相同におけるフォンタン術前の門脈体循環シャント評価の重要性
Keywords:左側は同じです, 門脈体循環シャント, フォンタン
【背景】左側相同では腹部血管の走行異常を合併することが多いが、生後早期から評価されていることは少ない。特に門脈体循環シャントを合併する例はTCPS・Fontan術直後、遠隔期に影響を及ぼす可能性がある。
【方法】2005年から2021年に当院で治療した左側相同12例ののうちFontan track8例を対象とし、カテーテルでの門脈体循環シャントの評価状況やその頻度、シャントを有する症例での術後経過について後方視的に検討した。
【結果】年齢中央値10歳(2-17歳)、男:女=5:3例。心疾患を原因としない死亡をTCPS前に2例認めた。TCPS 6例、Fontan到達 5例であった。TCPS月齢中央値7か月(4-15か月)、Fontan月齢中央値22か月(19-36か月)であった。
門脈体循環シャントの有無の評価がなされたのはTCPS術前2/8例(25%)、Fontan術前3/8例であった。3例は評価が行われておらず、うち2例がFontanまで到達していた。
門脈体循環シャントは2/8例(25%)に認めた。2例とも門脈低形成は認めていない。1例はFontan前に12mm大のシャントを認め、閉塞試験で肺動脈圧の上昇がないことを確認後に、コイル塞栓を行った。現在Fontan術後6か月で肺動脈圧13mmHg、シャントの再発は認めていない。1例は片側肺静脈閉鎖のためTCPSのまま経過し、TCPS後10年で肺動脈圧13mmHg、肺動静脈瘻は認めていない。シャント径は9mmから18mmまで拡大し、 SpO2は88%から72%まで低下している。
【考察】左側相同におけるFontan track症例での門脈体循環シャントの頻度は高いにもかかわらず、十分に評価できているとは言えなかった。門脈体循環シャントの存在はTCPS・Fontan術直後および遠隔期の血行動態に影響を与え、肺合併症を起こす可能性があるため、初期手術前からFontan術後遠隔期まで継続的な評価が望まれる。
【方法】2005年から2021年に当院で治療した左側相同12例ののうちFontan track8例を対象とし、カテーテルでの門脈体循環シャントの評価状況やその頻度、シャントを有する症例での術後経過について後方視的に検討した。
【結果】年齢中央値10歳(2-17歳)、男:女=5:3例。心疾患を原因としない死亡をTCPS前に2例認めた。TCPS 6例、Fontan到達 5例であった。TCPS月齢中央値7か月(4-15か月)、Fontan月齢中央値22か月(19-36か月)であった。
門脈体循環シャントの有無の評価がなされたのはTCPS術前2/8例(25%)、Fontan術前3/8例であった。3例は評価が行われておらず、うち2例がFontanまで到達していた。
門脈体循環シャントは2/8例(25%)に認めた。2例とも門脈低形成は認めていない。1例はFontan前に12mm大のシャントを認め、閉塞試験で肺動脈圧の上昇がないことを確認後に、コイル塞栓を行った。現在Fontan術後6か月で肺動脈圧13mmHg、シャントの再発は認めていない。1例は片側肺静脈閉鎖のためTCPSのまま経過し、TCPS後10年で肺動脈圧13mmHg、肺動静脈瘻は認めていない。シャント径は9mmから18mmまで拡大し、 SpO2は88%から72%まで低下している。
【考察】左側相同におけるFontan track症例での門脈体循環シャントの頻度は高いにもかかわらず、十分に評価できているとは言えなかった。門脈体循環シャントの存在はTCPS・Fontan術直後および遠隔期の血行動態に影響を与え、肺合併症を起こす可能性があるため、初期手術前からFontan術後遠隔期まで継続的な評価が望まれる。