The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

複雑心奇形

デジタルオーラルII(P9)
複雑心奇形 2

指定討論者:吉澤 康祐(兵庫県立尼崎総合医療センター)
指定討論者:山澤 弘州(北海道大学大学院医学研究院小児科)

[P9-1] 臍の異常に伴うIVC走行異常:Catheter intervention, Fontan rootへの影響

川田 典子, 鎌田 政博, 中川 直美, 渡邉 由希子, 岡本 健吾, 片岡 功一 (広島市立広島市民病院)

Keywords:IVC, 臍, カテーテル

【はじめに】IVCの走行異常は, CHDに対するBalloon atrioseptostomy(BAS)などのInterventionやFontan candidateのConduit root形成に影響しうる. 今回臍の形成異常を伴ったIVC走行異常を経験した. 【症例1】胎児エコーでTA(2b) , 臍帯ヘルニアと診断. 40週, 2307g出生. 日齢7, BAS目的に右FVからRashkind cathを挿入し横隔膜下で抵抗あり. 造影でIVCが横隔膜下で前方に湾曲したのち横隔膜上で後方へ約40度屈曲し, RA-IVC間圧較差3mmHg. 屈曲が強くpull backのテンションがかかりにくいと考え, よりストレートに近い経路の確保を試みたが6Fr Flexor Sheathは屈曲部を通過できず. 0.035’’ Termo/4Fr JRはPFOを介しLAまで挿入できwireを0.014’’Athlete Rubyに入れ替えTMP-PED 12×20mmでStatic BASを行った.【症例2】胎児エコーでPA/VSD, hypoRVと診断. 38週, 2704g出生. 日齢14, m-BTS施行, 月齢4カテーテル検査時, 横隔膜下でカテーテル挿入に抵抗あり. 造影でIVC走行は症例1と類似し, 圧較差や側副血行路なし. 2歳時のTCPC手術はRA一部をConduitに吻合しFontan rootを形成, 側面像で約45度の角度が生じた. 本例の臍はかなり頭側に位置していた. 【考察】IVC走行に屈曲が強くかつ十分なBASが必須となる解剖では, 頚静脈アプローチも考慮を要す. 反復するカテーテル検査やIntervention, Conduit root形成が必要な症例に臍の形成異常がある場合, IVC形態を事前にエコー, CT等で確認する必要が考えられた.