[I-OR04-02] 経カテーテル上位静脈洞型心房中隔欠損症修復術の短期成績
Keywords:上位静脈洞型心房中隔欠損症, 部分肺静脈還流異常症, カテーテル治療
【背景】上位静脈洞型心房中隔欠損症(SVASD)は、多くが部分肺静脈還流異常症(PAPVD)を合併し、手術による修復が行われている。近年、SVASDに対するカテーテル修復術が報告されており、上大静脈のカバードステント留置を用いたSVASD + PAPVD修復が新たな選択肢として考えられている。【方法】単施設の後向き観察研究で、SVASDに対して上大静脈のカバードステント留置を用いたSVASD + PAPVD修復を行った、連続症例について報告する。【結果】カテーテル治療は34例に施行された。カテーテル治療は、全身麻酔下、透視、経食道心エコーガイドに行われた。まず上大静脈のバルーン試験閉鎖を行い、右肺静脈の圧排の有無、上大静脈径を計測した。引き続き、カバードステント(10-zig covered Cheatham platinum stent)を上大静脈に留置してSVASD閉鎖と、右肺静脈の左房への経路作成を行った。症例により、追加のアンカーステントの留置や、肺静脈保護のバルーン拡張を追加した。手技は全例で成功し、周術期死亡はなかった。2例に重度の合併症を認め、1例は心タンポナーデ、もう1例はステント脱落であった。また、シャント残存症例が1例認められた。【結論】経カテーテル上位静脈洞型心房中隔欠損症修復術は良好な短期治療成績を示しており、カテーテル治療に適した症例に対しては、手術の代替療法として検討されていく可能性がある。今後日本での導入が期待される。