The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

カテーテル治療

一般口演04(I-OR04)
カテーテル治療 Ⅰ

Thu. Jul 21, 2022 10:40 AM - 11:30 AM 第6会場 (小ホール)

座長:上田 秀明(神奈川県立こども医療センター 循環器内科)
座長:須田 憲治(久留米大学 小児科)

[I-OR04-04] 小児心臓カテーテル検査・治療における放射線被ばく量ベンチマークの作成

田中 敏克, 三木 康暢, 松岡 道生, 亀井 直哉, 小川 禎治, 富永 健太, 城戸 佐知子 (兵庫県立こども病院 循環器内科)

Keywords:放射線被ばく, カテーテルインターベンション, dose area product

【背景】カテーテル検査・治療に携わる医師は、As Low As Reasonably Achievableの概念に基づき、あらゆる手段を用いて、放射線被ばくを低減する努力をすべきである。小児心臓カテーテル検査・治療において、標準的な被ばく線量の情報があれば、それを目安に被ばく低減に向けた計画を立てることができる。近年、小児の被ばく量の評価法としてDAP(dose area product)/BWの有用性が報告されている。【目的】カテーテル検査や治療におけるDAP/BW値(μGy*m2/kg)のベンチマークを作成すること。【対象】2016年から2021年に当科で施行した心臓カテーテル検査・治療のうち18歳以上の症例および2種以上の治療を同時に施行した症例を除外した1526セッション。【方法】診断カテーテル, BAP, BVP(PTPV+PTAV), coil closure(APCA, V-V shuntなど), ASD closure, PDA closure, BAS(static含む), ステント留置, について、DAP/BWを調べ、それぞれの50, 75, 90パーセンタイル値を算出した。また、DAP/BWと年齢、体重との関係を調べた。【結果】DAP/BWの50, 75, 90パーセンタイル値は、全体(n=1526):42, 62, 100、診断カテーテル(n=804):41, 61, 107、BAP(N=270):51, 71, 95、BVP(N=64):41, 67, 113、coil closure(N=151):54, 77, 105、ASD closure(N=95):39, 52, 78、PDA closure(N=83):21, 28, 39、BAS(N=43):32, 56, 93、ステント留置(N=16):45, 81, 147 であった。全体における検討で、年齢、体重とも正の相関を認めた。【結語】各種診断・治療カテーテルにおけるDAP/BWのベンチマークを作成した。体格が大きい症例ほど被ばくが大きい傾向がみられ、対策が必要である。今後、被ばく低減の取り組みの1つとして、今回算出した値をさらにアップデートした上で、各セッションにおいて術者に対し、DAP/BW値が50%, 75%, 90%に達した際に通知するシステムを導入し、それによりDAP/BW値が低下するかを検証していく予定である。