The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

一般口演

複雑心奇形

一般口演05(I-OR05)
複雑心奇形 I

Thu. Jul 21, 2022 2:00 PM - 2:50 PM 第6会場 (小ホール)

座長:黒嵜 健一(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学医学部 小児科)

[I-OR05-02] Fontan術後のAortopathyと血行動態に関する検討

北川 篤史1, 平田 陽一郎1, 高梨 学1, 本田 崇1, 宮地 鑑2, 石倉 健司1 (1.北里大学 医学部 小児科学, 2.北里大学 医学部 心臓血管外科学)

Keywords:フォンタン手術, 心臓MRI, 大動脈弁閉鎖不全

【背景】Fontan術後のAortopathyは、血行動態に負の影響を与える可能性がある。本研究の目的は、Fontan術後のAortopathyを心臓MRI(CMR)で定量的に評価し、循環動態および臨床症状の関連性を明らかにすることである。【方法】北里大学病院でCMRを施行したFontan術後の20症例(年齢平均22.0 ± 8.6歳、男女比 13:7)について、CMR測定値、患者背景、血液学的検査、NYHA心機能分類との相関性を解析した。【結果】Fontan手術時の年齢は平均5.3 ± 4.1歳であった。主心室は左室14例、右室6例でAtriopulmonry connection法3例、Lateral tunnel法3例、Extracardiac conduit法14例であった。大動脈径は平均26.7±4.7mmで大動脈弁逆流率(ARF)は平均13.3±12.7%であった。大動脈径は年齢(r=0.729, P<0.05)、収縮期血圧(r=0.607, P<0.05)と正の相関関係を示した。ARFは年齢(r=0.711, P<0.05)、収縮期血圧(r=0.787, P<0.05)、大動脈径(r=0.835, P<0.05)および血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値(r=0.695, P<0.05)と正の相関関係を示した。NYHA心機能分類II度の群はI度の群と比較して有意にARF(18.8±5.4 vs. 11.0±14.3%, P<0.05)および血漿BNP値(60.5±20.5 vs. 25.2±26.7 pg/mL, P<0.05)が高値であった。【結論】Fontan術後のAortopathyは、年齢および収縮期血圧が関係する可能性があり、血漿BNP値および運動耐容能に負の影響を与える。Fontan術後の血圧管理を含めたAortopathyに対する介入の必要性が示唆された。