[I-OR06-01] 純型肺動脈閉鎖症修復後の右室流出路拡張末期前方血流(EDFF)の意義
Keywords:純型肺動脈閉鎖, ファロー四徴症, EDFF
【背景】 ファロー四徴症術後 (TOF)の右室拡張機能障害は肺動脈逆流による急峻な拡張期末圧容積関係容積域に起因するのに対し、右室低形成を内在する純型肺動脈閉鎖症修復後 (PAIVS)では元々の急峻な拡張期末圧容積関係に起因し、右室拡張障害指標であるEDFFが反映する病態が異なる可能性がある。
【方法】心臓カテーテル検査を行ったPAIVS 1.5心室・2心室修復後14例とTOF修復術後90例を対象とし、同時期のEDFFとの関連を解析した。
【結果】修復時年齢、検査時年齢、心拍出量、心拍数、両心室拡張末期圧 (EDP)、肺動脈楔入圧に差は認めなかった。PAIVSではTOFと比較し中心静脈圧が高く(6.7±1.8, 5.6±2.1 mmHg, p= 0.031)、右室拡張末期容積(111±30, 158±47 %N, p=0.0004)、および肺動脈逆流分画(18±14, 34±17 %, p=0.036)が小さかった。EDFFはPAIVS12例(86%)、TOF47例(52%)に認め(p=0.0011)、PAIVSのEDFF波形はTOFと比較し速度・時間・VTIいずれも顕著に大きかった (p<0.05)。TOFではEDFF最大血流速度はRVEDPおよびEDP-右房圧較差と正相関を示したのに対し、PAIVSでは明らかな関連はなかった。興味深いことにTOFでは右室容積とEDFFは正相関を示すのに対し、PAIVSでは負相関を示し、更にEDFF血流速度は血漿HANPと強い正相関を示した(p<0.01)。
【結論】PAIVSは多様な心室形態・三尖弁形態を含むため、EDFFはTOFのように単独でEDP上昇を反映しない。しかし右室低形成の程度、更には循環負荷の程度を鋭敏に反映するため、PAIVS修復後の病態把握に有用なだけでなく、遠隔期の右室適応状況を想定する予測指標として有用な可能性がある。
【方法】心臓カテーテル検査を行ったPAIVS 1.5心室・2心室修復後14例とTOF修復術後90例を対象とし、同時期のEDFFとの関連を解析した。
【結果】修復時年齢、検査時年齢、心拍出量、心拍数、両心室拡張末期圧 (EDP)、肺動脈楔入圧に差は認めなかった。PAIVSではTOFと比較し中心静脈圧が高く(6.7±1.8, 5.6±2.1 mmHg, p= 0.031)、右室拡張末期容積(111±30, 158±47 %N, p=0.0004)、および肺動脈逆流分画(18±14, 34±17 %, p=0.036)が小さかった。EDFFはPAIVS12例(86%)、TOF47例(52%)に認め(p=0.0011)、PAIVSのEDFF波形はTOFと比較し速度・時間・VTIいずれも顕著に大きかった (p<0.05)。TOFではEDFF最大血流速度はRVEDPおよびEDP-右房圧較差と正相関を示したのに対し、PAIVSでは明らかな関連はなかった。興味深いことにTOFでは右室容積とEDFFは正相関を示すのに対し、PAIVSでは負相関を示し、更にEDFF血流速度は血漿HANPと強い正相関を示した(p<0.01)。
【結論】PAIVSは多様な心室形態・三尖弁形態を含むため、EDFFはTOFのように単独でEDP上昇を反映しない。しかし右室低形成の程度、更には循環負荷の程度を鋭敏に反映するため、PAIVS修復後の病態把握に有用なだけでなく、遠隔期の右室適応状況を想定する予測指標として有用な可能性がある。