[I-OR08-02] 体重3kg未満の動脈管開存(PDA)に対するデバイス閉鎖術の検討
Keywords:動脈管開存, ADO, ADO Piccolo
【背景】2019年1月にAmplatzer Duct Occuluder 2(ADO2)、2020年4月にAmplatzer Piccolo Occuluder (Piccolo)が導入され、新生児乳児期早期の動脈管デバイス閉鎖が適応となってきているが、特に低体重児における経験はまだ乏しく、その適応判断や閉鎖栓の選択等はまだ完全に確立してはいない。【目的】体重3kg未満のPDAデバイス閉鎖の現状を明らかにすること。【対象】2020年7月から2021年12月に国立成育医療研究センターにおいてPDAデバイス閉鎖を試みた体重 3kg未満の3例を検討した。【症例1】日齢14、体重2.8kg。PDA type C,PDA最狭部3.8mm,PDA長8.7mmで、ADO2(4-4)を順行性に留置した。術後軽度の残存短絡と左肺動脈狭窄(LPPS)認められたが、術後3ヶ月で短絡は消失し、術後6ヶ月でLPPSも改善した。【症例2】日齢6、体重2.6kg。PDA type C,PDA最狭部3.0mm,PDA長5.3mmで、Piccolo4-2mmの留置を順行性に試みたが容易に肺動脈側に脱落するため、ADO-2(4-4)に変更した。PDAを挟み込むように留置するも、拍動により徐々に肺動脈側にslipして脱落するため留置を断念した。【症例3】生後2ヶ月、体重2.3kg。PDA type A,PDAのPA側最狭部2.1mm,PDA長7.6mmで、Piccolo 5-4mmを順行性に留置した。術直後から短絡は消失し、LPPSなし。【考案】体重3kg未満においてもPiccolo,ADO2でPDAデバイス閉鎖は可能になってきたが、新生児期において動脈管の伸展性が強い症例ではデバイス閉鎖が困難な症例もあり、症例ごとに適切なデバイスの選択や適応の判断が必要となる。