[I-OR08-04] CARDIOFORM ASD Occluderの使用経験
キーワード:CARDIOFORM ASD Occluder, erosion, 心房中隔欠損
【背景】GORE社製のCARDIOFORM ASD Occluder GCAは本邦でも2021年8月に認可された。GCAには、よりerosionのリスクが少ない利点を持つ一方で、経食道心臓超音波検査TEEによる視認性の問題や留置手技に経験や慣れを要するなど解決すべき諸問題が残されている。【方法】2021年9月以降2021年1月までGCAの留置を実施した22例(7例男児、15例女児)をA群、2020年1月から2021年8月までに経皮的心房中隔欠損閉鎖術施行例51例をB群とし、両群間で体重、欠損孔やリム長に関する検討を行った。【結果】GCA留置し得たのは20例(91%)で、2例とも37mm GCA閉鎖栓を試みたが、不成功で他の閉鎖栓を留置した。A群の留置した年齢、体重は8.4±3.1歳(中央値7.3歳)、27±8.8kg(中央値26.3kg)で、B群7.8±3.4歳(中央値7.1歳) p=0.156、24±10kg(中央値18.9kg) p=0.079とA群でより体格の大きい症例に行っていたが、有意差を認めなかった。A群のTEEによる計測された欠損径は11±3.3mm(中央値11mm)、サイジングバルーン径15±4.1mm(中央値14mm)、留置された閉鎖栓径33±4.5mm(中央値32mm)で、B群の欠損径13±5.1(中央値13mm)、p=0.047、サイジングバルーン径17±5.8mm(中央値16mm)、p=0.185、留置された閉鎖栓径22±5.9mm(中央値16.5mm)で、A群でより小さめの欠損孔に留置を行っていた。A群、B群のaortic rim はそれぞれ5.8±4.7mm、4.0±2.3mm、p=0.016、IVC rim 12±6.0mm、11±6.6mm、p=0.342で、B群でよりaortic rimが短い症例に留置を行っていた。aortic rim 2mm以下の症例に限定すると、A群2例(10%)、B群14例(27%)とaortic rim短い症例に対してのA群での経験はまだ少ない。【考察と結論】GCAは、大動脈の変形を来すことなく、安全性が高いとされているが、まだ経験症例数が不足している。今後、小さい体格でより大きめの欠損孔に対して、どこまで留置が可能なのか慎重なアプローチや検討が不可欠である。