[I-OR09-03] 運動時心係数増加の静脈圧コストはFontanで有意に高い
Keywords:Fontan, venous pressure, reserve
【背景】単心室修復の最終形であるFontan循環は、うっ血と心拍出予備能の低下を特徴とする。運動時の単位心係数(CI)増加に必要な静脈圧(VP)上昇コスト(ΔVP/ΔCI)は、個々のFontan循環の評価に有用な可能性がある。その定量評価は不詳である。
【方法】臥位エルゴメーターによる運動負荷中に、インピーダンス法によりCIを、生食を満たしたトランスデューサーにより上肢のVPを連続測定した。運動負荷は原則25Wより開始し、運動耐性をみながら可及的に漸増し、本人の限界で運動を終了した。様々な二心室循環とFontan循環でΔVP/ΔCIを比較し、個々の症例を探索的に検討した。
【結果】Fontan群(N=10)は二心室群(N=6)と比し、年齢の中央値(15 vs 12歳)が高い対象での検討で、安静時CIは平均で3.5 vs 5.5 L/min/m2、最大CIは6.4 vs 8.6 L/min/m2とFontan群で有意に低かった。安静時VPは14 vs 11 mmHg、最大VPは25 vs 15 mmHg、ΔVP/ΔCIは3.7±0.3 vs 1.0±0.4(P<0.001)であり、Fontan群で高値を示した。ΔVP/ΔCIが1、3番に高かった症例はそれぞれ多脾症、左心低形成症候群で持久的運動を回避して管理、2番目に高かった症例(13歳)は中等度の房室弁逆流を有し、房室弁形成術を施行した。
【考察】Fontan循環は、血行動態の異常を有する二心室疾患と比較しても運動時のVP上昇が大きく、単位CI増加のためのVPコストが高かった。運動中の血行動態評価は、安静時に施行される心臓カテーテル検査と並びFontan循環評価において重要である。ΔVP/ΔCIは有用な予備能評価指標の可能性があり、症例数を増加させた検討に値すると考えられた。
【方法】臥位エルゴメーターによる運動負荷中に、インピーダンス法によりCIを、生食を満たしたトランスデューサーにより上肢のVPを連続測定した。運動負荷は原則25Wより開始し、運動耐性をみながら可及的に漸増し、本人の限界で運動を終了した。様々な二心室循環とFontan循環でΔVP/ΔCIを比較し、個々の症例を探索的に検討した。
【結果】Fontan群(N=10)は二心室群(N=6)と比し、年齢の中央値(15 vs 12歳)が高い対象での検討で、安静時CIは平均で3.5 vs 5.5 L/min/m2、最大CIは6.4 vs 8.6 L/min/m2とFontan群で有意に低かった。安静時VPは14 vs 11 mmHg、最大VPは25 vs 15 mmHg、ΔVP/ΔCIは3.7±0.3 vs 1.0±0.4(P<0.001)であり、Fontan群で高値を示した。ΔVP/ΔCIが1、3番に高かった症例はそれぞれ多脾症、左心低形成症候群で持久的運動を回避して管理、2番目に高かった症例(13歳)は中等度の房室弁逆流を有し、房室弁形成術を施行した。
【考察】Fontan循環は、血行動態の異常を有する二心室疾患と比較しても運動時のVP上昇が大きく、単位CI増加のためのVPコストが高かった。運動中の血行動態評価は、安静時に施行される心臓カテーテル検査と並びFontan循環評価において重要である。ΔVP/ΔCIは有用な予備能評価指標の可能性があり、症例数を増加させた検討に値すると考えられた。