[I-OR09-04] Speckle tracking echocardiographyを用いたファロー四徴症術後患者における左房機能解析
Keywords:左房機能, ファロー四徴症, ストレイン
【背景】近年、左房機能は拡張能の指標として重要な指標と認識されている。ファロー四徴症術後患者(以下rTOF)において、心房機能不全に関する報告はまだ少ない。【目的】小児期および成人期におけるrTOF対し、2D speckle-tracking echocardiography(以下STE)を用いて左房機能解析を行い、拡張能低下の指標として従来の指標と比較検討する。【方法】65名のrTOF(年齢中央値:12.6歳、範囲:3-44歳)を3つの年齢群(T1:3-9歳、T2:10-19歳、T3:20-44歳)に分け、同様の年齢と性別の65名の対照者を対応する3群(C1、C2、C3)に分けた。左房および左室のstrainは心尖部四腔断面の標準2次元画像よりSTEを用いて評価した。左房機能は貯蔵機能を表す(Reservoir strain)、導管機能に対応するpositive peak(Conduit strain)、および心房収縮機能を表すnegative peak(Pump strain)、左房のコンプライアンスを表すLA stiffnessを計測した。【結果】Reservoir strain、Conduit strain及びPump strainはT3群でC3群と比較して有意に低かった(それぞれp<0.01、p<0.01及びp<0.05)。Reservoir・Conduit・Pump strain rateもT3群でC3群と比較して有意に低かった。左室駆出率、左室縦長軸方向strainもT3群でC3群と比較して有意に低かった。左房容積測定、E/A、E/e’などはrTOFと対照群との間に有意差を認めなかった。LA stiffnessは各年齢群でrTOFで有意に高かった。【結論】TOF術後患者において、加齢に伴い左房位相機能は低下傾向にあり、LA stiffnessは年齢に関わらず高値であった。拡張能障害の早期発見には左房位相機能解析が有用であることが示唆された。